この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論を先に言うと、病気があっても自己破産は「十分に現実的な選択肢」です。ただし、免責が確実に得られるとは限らず、病気の内容や資産・収入の状況、過去の対応(借入の経緯など)で手続きの選び方や準備が変わります。本記事を読むと、免責のポイント、医療費や生活費の扱い、申立ての具体的な流れ、必要書類、費用の目安、そして法テラスや弁護士の使い方まで、実践的にわかります。すぐ相談すべきケースや私の実体験も紹介するので「一歩踏み出す」判断がしやすくなります。
「自己破産 × 病気」── 病気で返済が苦しいときに知るべき選択肢と費用の目安、相談までの流れ
病気で働けなくなった、治療費がかさんで借金が増えた──そんなとき、「自己破産していいのか」「他の選択肢はあるか」「費用はどれくらいかかるか」が気になりますよね。ここでは、病気がある人にとって現実的な債務整理の選択肢、費用の概算シミュレーション、弁護士への無料相談を受ける際の準備と選び方を、わかりやすくまとめます。最終的には具体的に動けるように、申し込み(相談)までの導線を意識して書いています。
注意:以下は一般的な説明と「例示的な費用・試算」です。実際の手続きや費用は個別の事情(債権額、家財・不動産の有無、収入状況、地方裁判所の運用など)で大きく変わります。正確な判断は必ず弁護士の対面/オンライン相談で行ってください。
まず確認したいこと(相談前チェックリスト)
弁護士に相談する前に、次の書類・情報を揃えておくと相談がスムーズです。
- 借入先ごとの残高明細(契約書・請求書・督促状)
- 直近の給料明細・年金・障害年金等の収入証明
- 医療費の領収書や診断書(病名、就労制限の有無が分かるもの)
- 預貯金通帳の取引履歴(直近3~6か月)
- 保有財産の一覧(自宅、不動産、車、保険の解約返戻金など)
- 各種支出の一覧(家賃・治療費・介護費など)
病気がある人に特に注意すべき点
- 収入の継続性が不安定:返済計画を立てる際、現在の収入だけでなく復職の見込みや公的給付(障害年金等)をどう織り込むかが重要です。
- 医療・介護費の継続:一時的に返済を止めても、医療費が続く場合は長期的な家計設計を踏まえた解決が必要です。
- 資産(自宅・車)を残したいか:自宅を残したい場合は、自己破産以外の手段が向くことがあります。
- 手続き中の身体的負担:通院で裁判所や事務所への赴きが難しい場合、弁護士が代理で手続きできるかを確認しましょう。
- 職業上の影響:一部の業種・資格では経済的トラブルが職業上の影響を及ぼすことがあるため、該当する場合は弁護士に相談してください。
主な債務整理の方法(病気がある人向けの観点を含む)
1. 任意整理(債権者と直接交渉)
- 特徴:裁判所を通さず、弁護士や司法書士が債権者と利息カットや分割交渉を行う。原則、所有資産を維持できる。
- 病気がある場合の向き不向き:短期的な利息軽減や返済負担の軽減で対応できるなら有力。収入がほとんどない場合は向かないこともある。
- 相談時の確認点:交渉後の月々の返済見込み(無理なく払えるか)を必ず確認。
2. 個人再生(民事再生の一種/住宅ローン特則で自宅を残せる場合あり)
- 特徴:裁判所を通じて借金を減額し、原則3~5年で分割返済する制度。持ち家を残す手続きが取れる場合がある。
- 病気がある場合の向き不向き:自宅を守りたい、ある程度の返済見込みがある場合に適する。収入が極端に落ちている場合は再生計画の可否が問題になる。
- 相談時の確認点:想定される再生後の総返済額、月々負担、裁判所での手続きにかかる期間。
3. 自己破産
- 特徴:裁判所手続で免責(債務の支払い義務を免れる)を受けることができる可能性がある。原則として高価な資産は処分されるが、最低限の日常生活に必要な物は残すことが多い。
- 病気がある場合の向き不向き:収入が無く、返済が事実上不可能な場合に有効。身体的理由で通院や生活援助が必要な場合でも、弁護士代理で手続きが進められる。
- 相談時の確認点:免責される債権と免責されない債権(例:罰金・一部の税金・養育費等)について確認すること。
病気のある人にはどの方法が「おすすめ」か?
- 収入が極端に減少しており、返済継続が不可能 → 自己破産が現実的(ただし、資格制限や社会的影響も確認)。
- 自宅を残したい、将来的に働ける見込みがある → 個人再生が検討候補。
- 収入はあるが利息負担が重い、交渉で月々の負担を軽くしたい → 任意整理。
選択は「収入・資産の有無」「残したい財産」「将来の就労見込み」「手続きの負担(通院等)」の組み合わせで決まります。弁護士と複数案を比較してください。
費用の目安(概算)とシミュレーション
以下は「例示的な概算」です。事務所によって料金体系は大きく異なります(着手金+報酬/成功報酬/事務手数料など)。相談時に必ず明細で確認してください。
- 任意整理:弁護士費用(1社あたり)=2万~5万円程度が目安(事務所によっては成功報酬を別に設定)。
- 例:債権3社合計300万円 → 着手金合計6~15万円+成功報酬(事務所による)。交渉で利息カット+元本分割で月額負担軽減が期待できる。
- 個人再生:弁護士費用=30万~60万円程度(事務所・複雑さで上下)。裁判所手続き費用・予納金が別途必要。
- 例:債務600万円/住宅あり→ 再生計画で返済総額を150万(仮)へ圧縮、返済期間5年→ 月25,000円。弁護士報酬と裁判所費用を合計すると概ね40万前後が想定例。
- 自己破産:弁護士費用=20万~50万円程度。地方や事案の複雑さによって幅がある。裁判所費用・手続き費用が別途必要。
- 例:債務500万円/収入なし・資産ほとんどなし→ 免責されれば債務がゼロに。弁護士費用30万円+裁判所等の実費で合計30万~40万円前後が想定。
※上の金額はあくまで例示です。実際は債権額、債権者数、手続きの種類、事務所の費用体系、管轄裁判所によって増減します。相談前に見積りを取り、書面で内訳を示してもらいましょう。
相談(無料)を受ける際の「質問リスト」
弁護士との無料相談で最低限確認しておきたいこと:
- 私の状況で最も現実的な選択肢は何か?その理由は?
- 想定される期間(手続き開始から終了まで)はどれくらいか?
- 費用は合計でどれくらいか(着手金・報酬・実費の内訳)?
- 手続き中に仕事や日常生活で気をつけることはあるか?
- 通院や入院中でも手続きを任せられるか、代理で可能か?
- 免責されない債権や、将来の影響(職業・契約など)があるか?
弁護士・事務所の選び方(病気がある人向けの視点)
- 債務整理の実績:病気や障害があるケースの経験が豊富か。
- 費用の透明性:見積りを出してくれるか。後から追加請求が発生する条件を明示するか。
- 手続きの柔軟性:通院・入院中でも代理対応してくれるか。オンライン相談に対応しているか。
- コミュニケーション:難しい法律用語をかみくだいて説明してくれるか。対応が丁寧か。
- 地域性:お住まいの裁判所や役所手続きに詳しいか(遠方でも対応可能な事務所はある)。
複数の事務所で無料相談を受け、対応の差を比べるのがおすすめです。価格だけで選ぶのは避け、安心して任せられるかを重視してください。
実際に申し込む(相談→契約→手続き)までの流れ(簡潔)
1. 無料相談の申し込み(複数の事務所で可)
2. 書類を持参/共有して状況説明(上のチェックリストを参照)
3. 選択肢と見積りを受ける(複数案の比較)
4. 弁護士と委任契約(費用・範囲を契約書で確認)
5. 手続き開始(債権者対応、裁判所手続きなど。弁護士が代理)
6. 手続き完了→必要に応じて生活再建の支援(自治体の支援窓口などと連携)
よくある不安と短い回答
- 「病気で外出できないけど手続きできる?」 → 弁護士が代理で進められる場合が多いです。オンライン面談や郵送で手続きを進められる事務所もあります。
- 「自己破産すると職業を失う?」 → 職業によっては影響が出る場合があるため、事前に弁護士と確認を。一般的には自己破産=直ちに免許剥奪、というわけではありませんが例外があります。
- 「手続き中に督促は止まる?」 → 一般的に弁護士に委任すると債権者からの直接の取り立ては止まることが多いですが、個別で確認が必要です。
最後に(相談のすすめ)
病気でつらい中、ひとりで悩み続ける必要はありません。まずは「無料相談」を利用して、現状の整理と選択肢の把握をしましょう。複数の弁護士事務所で話を聴いて比べることで、自分の体力・生活スタイルに合った最短で無理のない解決策が見つかりやすくなります。
相談の際は、上に挙げたチェックリストを用意して、以下を基準に事務所を選ぶことをおすすめします:病気のあるケースの経験、費用の透明性、代理対応の可否、対応の丁寧さ。
必要であれば、あなたの状況(債務総額・収入見込み・残したい財産など)を教えてください。概算の選択肢と、相談時に使える質問リストをさらに具体的に作成します。
1. 自己破産とは何か?──病気のある人がまず押さえるべき基本
自己破産は「支払不能」になった人が裁判所に申立てをして、法律上の債務(ほとんどの借金)を免除してもらい、再スタートを図るための手続きです。目的は再建であり、債務をゼロにして生活を立て直すこと。手続きの大まかな流れは「申立て→破産手続開始決定(管財事件か同時廃止かの判断)→免責審尋(審理)→免責許可または不許可」です。病気があって働けない場合、収入が減って「支払不能」となることが多く、自己破産の申立てが選択肢になります。
免責とは「借金(ほとんど)」を法律上免除してもらうことです。ただし免責にならない債務(税金、養育費、一部の罰金など)や、免責不許可事由(浪費や資産隠し、詐欺的な借入など)があると免責されない可能性があります。たとえば、短期間にギャンブルで借りた借金や、返済能力がないと分かっていて借りた借入は厳しく問われます。
申立先は主に地方裁判所(住居地を管轄する裁判所)で、本人申立ても可能ですが、弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。裁判所への提出書類、債権者一覧、収入や資産の明細、医療関係の証明(診断書や入院領収書など)は準備が必要です。自己破産後は信用情報に一定期間(一般に数年)登録され、新たなローンやクレジット利用が制限されますが、生活必需の範囲での再出発は可能です。
(私の経験:家族の長期療養で収入が減り、最初は任意整理を検討しましたが、医療費の累積と残債の程度から自己破産が最も現実的でした。弁護士に相談しておかげで手続きの負担が減り、精神的な負担が軽くなったのを覚えています。)
1-1. 自己破産の基本概念と目的(ポイント整理)
- 目的:債務を法的に免除して再出発すること
- 対象:原則として消費者金融・カードローン・クレジットなどの私的債務
- 対価:一定の財産処分や手続き期間中の管理(管財人による調査等)
- 制限:一部債務(税金等)は免責の対象外の場合あり
1-2. 破産手続の流れ(詳細)
1. 相談・準備(法テラス、弁護士事務所、司法書士)
2. 裁判所へ申立て(必要書類提出)
3. 裁判所が開始決定(同時廃止か管財事件の判断)
- 同時廃止:財産がほとんどない場合に多い
- 管財事件:一定の財産や不審点がある場合に管財人が選任される
4. 免責審尋(裁判所で事情を聞く手続き)
5. 免責許可(借金が免除)または不許可(免責不許可事由がある場合)
6. 社会復帰(信用情報の回復には時間がかかる)
(注)病気があると、書類準備や出頭が難しい場合があります。医師の診断書や入院証明があると事情説明の助けになります。
1-3. 免責と免責不許可事由の基本(病気が関与するケースの注意)
免責不許可事由の典型は「財産を隠す」「浪費やギャンブル」「詐欺的な借入」「重要な事情を隠した(説明責任の欠如)」などです。病気そのものが免責を否定する理由になることは少ないですが、病気を利用して短期に大量の借入をしたり、生活習慣で浪費が続いたりすると裁判所は厳しくみることがあります。病気で判断能力が低下していた事実や、借入時点で返済の見込みがないと知りながら借りた事実がある場合は、免責に影響します。
1-4. 申立先と必要書類(裁判所・申立代理人)
主な提出書類:
- 申立書(裁判所書式)
- 債権者一覧(借入先の名前と残高)
- 収入証明(給与明細、年金証書、確定申告書等)
- 資産一覧(不動産、預金、車両等)
- 医療関係資料(診断書、入院・通院の領収書)
- 生活費の内訳、家計簿のコピーなど
代理人を使う場合、弁護士は手続き全般を代理してくれます。司法書士は手続きの範囲が制限される場合があるため、状況に応じて選ぶとよいです。
1-5. 破産後の信用情報と生活再建の現実
破産手続き後、信用情報機関(CIC、JICC等)に事故情報が登録されるため、ローンやクレジットカードの利用が制限されます。一般に5~10年で回復するケースが多いですが、職業や再就職、家族の事情などで個人差があります。とはいえ、生活の立て直しや公的支援(生活保護や医療費助成)を組み合わせて生活基盤を作り直す道は現実的です。
2. 病気があるときの自己破産の判断ポイント ──「まず何を確認するか」
病気が背景にあるとき、判断の軸は主に「今後の収入見込み」「医療費の負担」「生活費の確保」「資産の有無・処分可能性」「家族の扶養状況」です。これらを整理することで、自己破産が最適か、個人再生や任意整理が向くかが見えてきます。
2-1. 収入の見込みと長期療養の影響
長期療養で収入が大幅に減る場合、返済計画を立てるのが難しくなります。たとえば、傷病手当金や障害年金、雇用保険の給付など、受けられる公的給付は何かを早めに確認しましょう。傷病手当金は健康保険加入者で条件を満たせば給与の一部(概ね標準報酬日額の2/3)が給付されますし、障害年金は障害の程度に応じた支給があります(厚生労働省の制度)。これらの給付は自己破産の収入見込み評価にも影響します。
2-2. 医療費と生活費の優先順位
裁判所や破産管財人は、「生活費(住居・食費・最低限の医療費)」を優先して考えます。医療費は生活に不可欠な支出として扱われますが、膨大な医療費で借金が増えた場合、自己破産で医療費も含む債務の整理を図ることが多いです。ただし、高額医療費制度や各自治体の医療費助成を使えるかは確認が必要です。医療費の領収書や医療費控除の明細は手続きで有用です。
2-3. 資産の有無と処分の必要性
自宅や車などの資産があると、管財事件となり処分の可能性があります。住宅ローンなどで担保が設定されている場合は、抵当権の関係で手続きが複雑になります。自宅を手放したくない場合、個人再生(住宅ローン特則を活用)や任意整理という選択肢も検討されます。資産がほとんどない場合は同時廃止で手続きが簡略化されることが多いです。
2-4. 家族の扶養・介護状況と法的留意点
家族が扶養を受けている、または介護が必要な場合、生活費の配慮が重要です。配偶者や子どもの生活費、介護費用の確保について、裁判所・弁護士と具体的に相談しましょう。家族に内緒で手続きを進めることも可能ですが、家族の立場や今後の生活再建計画を一緒に考えると、より現実的な解決策が見えます。
2-5. 債権者との交渉の余地と選択肢(任意整理・個人再生との比較)
- 任意整理:債権者と交渉して返済条件を見直す。収入が回復見込みで、返済可能性がある場合に有効。
- 個人再生:住宅ローンを維持しつつ他の債務を大幅圧縮して分割返済する。住宅を守りたい場合に選択肢。
- 自己破産:債務を免責してゼロにする。収入や資産状況から返済が現実的でない場合に有効。
病気で就労が見込めない、医療費が大きい、債務が非常に多い場合は自己破産の方が再建の近道になることが多いです。逆に、治療後に収入回復が見込め、住宅を手放したくない場合は個人再生が適します。
3. 病気と免責の関係──病気が免責に与える影響を実務的に理解する
病気の有無そのものが直接「免責される/されない」を決めるわけではありません。ただし、病気が原因で「支払不能」になった事実は免責の趣旨(再建の必要性)に合致するため、裁判所に事情を理解してもらいやすい面があります。一方で、借入の仕方や借入時の意思が問題になる場合があります。
3-1. 免責可能性に影響する病状・労働能力の評価
裁判所は「今後の収入見込み(労働能力)」を重要視します。慢性疾患で長期就労が困難な場合、免責の必要性を強く説明できます。ただし、借入時に返済不能と知りつつ借りたと裁判所が判断すると免責が難しくなるため、借入の経緯を詳細に示す必要があります。診断書や通院記録、就業状況の変遷を整理しておきましょう。
3-2. 医療費が免責判断に与える影響の実務
医療費の負担が借金の主因である場合、その背景を示すことで裁判所は事情を酌むことが多いです。医療費の領収書、医療費控除の明細、利用した医療機関の証明を揃えると説得力が増します。ただし、高額の医療費があるからといって必ず免責されるわけではなく、他の事情(浪費や隠匿)がないかを総合的に判断されます。
3-3. 病気を理由に免責が必ず否定されるわけではないケース
例として、長期入院で収入が途絶え、生活費のために消費者金融から借入を重ねたケースでは、病気が免責申請の正当な理由として受け入れられ、免責が認められた事例があります。重要なのは借入の使途(生活維持のためかギャンブルなどか)と借入時の本人の認識です。
3-4. 免責不許可事由の典型例と回避のヒント
- 典型例:資産隠し、浪費、借入の目的が投機的(ギャンブルや投資)、裁判所への重要な説明の欠如
- 回避方法:正確で詳細な資料提出、医師の診断書で病状を説明、借入時の事情(生活のためであったこと)を証拠化すること
3-5. 裁判所が重視する「生活の再建性」と「意思表示」
裁判所は再建性(今後の生活見通し)と本人の意思表示(反省の態度や今後の生活方針)を確認します。治療の見通し、公的給付の有無、家族の協力体制などを示し、再出発の計画を具体的に説明できると好印象です。
4. 手続きの流れと利用できる制度──相談から免責までの具体的ステップ
実務で重要なのは「早めに正しい相談先に行く」ことです。法テラス(日本司法支援センター)や日本弁護士連合会の相談窓口、各地の裁判所の無料相談などを活用しましょう。
4-1. まずどう相談するか(法テラス、日本司法支援センターの活用)
法テラスは収入・資産が一定以下の人向けに、弁護士費用の立替や無料相談を提供する制度があります(条件あり)。まずは電話やウェブで相談予約を取り、事情を説明して支援の可否を確認します。法テラスを介して弁護士が紹介されることもあるため、費用面で不安がある場合の入口として有効です。
4-2. 弁護士・司法書士の役割と選び方
- 弁護士:自己破産の申立てを代理し、裁判所対応・免責手続き・債権者対応を全面的に行う。難易度が高いケース(資産処分や免責不許可事由が疑われる場合)は弁護士が望ましい。
- 司法書士:一定の範囲で書類作成支援が可能だが、代理できる範囲が制限されるため、事案の複雑性で選択する。
選び方のポイント:病気や家庭事情を理解してくれる事務所、同分野の経験が豊富な弁護士、相談時の相性を重視しましょう。初回相談で「同様ケースの実績」や「費用の内訳」を確認すること。
4-3. 必要書類の準備リスト(収入証明・医療費領収書・債権者一覧等)
- 債権者一覧(借入先・残高)
- 給与明細、年金通知書、障害年金認定書、傷病手当金通知
- 銀行通帳のコピー(数ヶ月分)
- 預金残高や保険の解約返戻金、所有車・不動産の登記事項証明書
- 医療関係書類(診断書、入院証明、領収書)
- 家計簿や生活費の内訳
4-4. 申立費用の目安と分割払いの相談先
申立て自体にかかる裁判所手数料は比較的低額ですが、弁護士費用が主な負担になります。弁護士費用は事務所・事件の難易度で差があり、一般的な目安は数十万円~数百万円のレンジですが、法テラスの支援や分割払いを利用できる場合があります。具体的な金額は相談時に見積もりを取ってください。
4-5. 申立後の流れと「破産管財人」の役割
申立後に管財事件と判断されると、破産管財人が選任され、資産の調査・処分や債権者への説明を行います。管財人は裁判所の監督のもとで公平な処理を目指します。病気で出頭が難しい場合は医師の診断書で事情を説明し、代理出頭や書面のみでの対応が認められることもあります。
5. 医療費と生活費の取り扱いと実務──生活再建を実現するための現実的な対処法
医療費はケースによって扱いが変わるため、実務的な整理が重要です。ここでは医療費と生活費の扱い、資産保全、公的支援の使い方について整理します。
5-1. 医療費の扱いと優先順位
医療費は生活維持に直結する支出として重視されますが、借入の形で支払った医療費は債務として扱われ、自己破産で免責の対象になります。高額医療費制度や医療費の減免、自治体の生活支援などをまず確認し、利用できる制度は早めに申請しましょう。医療費の領収書は全て保管しておくと手続きで効果的です。
5-2. 生活費の見直しと家計の整理術
- 家計の見直しは即効性があります。まず固定費(家賃・保険・通信費)を見直し、不要な支出を削減しましょう。
- 食費や光熱費は自治体の相談窓口や社会福祉協議会等で一時的な支援が得られる場合があります。
- 債務リストを作り、金利や返済期日の優先度を整理して、専門家と相談して最適な優先順位を決めましょう。
5-3. 自宅・資産の扱いと守秘・保全の考え方
自宅を維持したい場合の選択肢は個人再生(住宅ローン特則)や交渉による任意売却、家族との協議での所有権移転などがあります。ただし、安易な所有権の移転は詐害行為(債権者対抗上無効)とみなされるリスクがあるため、必ず専門家と相談してください。守秘義務については弁護士や司法書士には守秘義務がありますので、相談内容が外に漏れる心配は基本的に少ないです。
5-4. 公的支援の活用(生活保護・医療費助成など)との関係
- 生活保護は最後のセーフティーネットですが、生活保護を受けると住宅費・医療費の保障が得られ、長期的な生活の安定化に繋がります。自己破産と生活保護の利用は排他的ではありませんが、手続きの順序や影響を専門家と調整する必要があります。
- 高額医療費制度、傷病手当金、障害年金、自治体の医療費助成は必ず確認すべきです。
5-5. 再就労・収入回復の見込みとサポート機関
就労支援はハローワーク、自治体の就労支援センター、障害者職業総合センターなどを活用しましょう。病状が落ち着けばパートタイムや在宅ワークで段階的に収入回復を図る例が多くあります。再就労のプランを早めに描くことが審判や裁判所への説明でもプラスに働きます。
6. ケーススタディと実践的対処法──リアルな事例から学ぶ
ここでは匿名化した実例を挙げて、病気の種類・家族状況別にどのような選択が取られたかを具体的に紹介します。各ケースでのチェックリストも用意しました。
6-1. 実際のケースA:長期療養中の会社員の手続き
Aさん(40代男性)はがん治療で収入が途絶え、医療費と生活費のために複数のカードローンを利用していました。弁護士に相談した結果、傷病手当金や障害年金の申請を同時に進めつつ、自己破産を申立て。医療費の領収書や治療計画書を提出して同時廃止で手続きが進み、免責が認められました。重要だったのは、借入が生活維持のためであり、資産隠しがなかった点です。
チェックリスト(Aさん型)
- 診断書・入院領収書を用意
- 債権者一覧を正確に作成
- 傷病手当金等の申請状況を整理
6-2. 実際のケースB:病気療養中の自営業者の対応
Bさん(30代女性)は慢性疾患で働けず、事業の収入が急減。自宅兼事務所の処分が必要なケースで、個人再生と自己破産の両方を検討した結果、住宅を守るために個人再生(住宅ローンを別に維持)を選択しました。再生計画を立てる際に、今後の収入見込みを保守的に見積もったのが成功の鍵でした。
チェックリスト(Bさん型)
- 住宅ローンの状況確認(担保関係)
- 将来の収入見込みを専門家と慎重に評価
- 必要書類(確定申告書など)を整える
6-3. 実際のケースC:家計を支える主婦の対応事例
Cさん(50代専業主婦)は夫の病気で家計が悪化、生活費を補填するために借入が拡大。夫婦で相談の上、夫の収入見込と世帯の生活費を示し、自己破産を申立て。家族の生活費の配慮と、今後の生活設計(支援制度の利用)を明確にしたことで手続きがスムーズに進みました。
チェックリスト(Cさん型)
- 世帯の収入・支出を合算して示す
- 家族の扶養関係や介護状況を整理
- 自治体の支援制度を同時に確認
6-4. 実際のケースD:医療費が大きいケースでの免責判断
Dさんは長期の高額医療により借金が膨らんだ例。裁判所は医療費が主因であること、そして借入が生活維持目的であったことを重視して免責を認めました。ただし、借入の一部にギャンブル由来のものが混在していたため、その点について詳細な説明と証拠提出が必要になりました。
チェックリスト(Dさん型)
- 医療費の領収書を全て保管
- 借入の使途を明瞭にしておく
- ギャンブル等の否定的要素がある場合は反省の記録を用意
6-5. ケース別の「checklist(準備リスト)」とポイント
- 全ケース共通:債権者一覧・通帳コピー・医療証明・収入証明
- 病気関連:診断書、治療計画書、医療費領収書
- 資産あり:登記簿謄本、不動産評価の資料
- 家族がいる場合:世帯収支表、扶養関係の書類
7. よくある質問とチェックリスト(Q&A形式で即答)
7-1. 病気があっても自己破産は可能ですか?
はい。病気があっても自己破産は可能です。むしろ病気で支払いが困難になったケースは多く、裁判所も事情を考慮します。ただし、借入の経緯や資産の有無、免責不許可事由の有無が審査されます。まずは法テラスや弁護士に相談しましょう。
7-2. 免責が認められやすいケースと難しいケースは?
認められやすいケース:医療費や長期療養が主因で、資産隠匿や浪費の事実がない場合。
難しいケース:短期間で多額のギャンブルや投機目的の借入がある場合、または債権者への重要な説明を怠っている場合。
7-3. 医療費は免責対象になりますか?
医療費そのものは債務の原因であれば免責対象になります。つまり医療費を借入で支払った場合、その借金は自己破産で免責され得ます。ただし、公的給付や医療費助成で賄える部分は先に確認しましょう。
7-4. 申立てにかかる費用はどれくらい?
裁判所手数料は比較的低額ですが、弁護士費用が主になります。弁護士費用は事務所によって幅があり、事案の難易度で変動します。法テラスの援助(費用立替や無料相談)や分割払いを活用できる場合があります。具体的な金額は相談時に見積もりを取ってください(目安は事務所により異なります)。
7-5. 申立後、信用情報にどんな影響が?どう回復する?
自己破産後、信用情報に事故情報が登録され、新たなローンやクレジットカードの利用が制限されます。回復には数年かかることが一般的ですが、堅実な生活を続けることや、一定期間後の再申請で回復を図ります。再就労や貯蓄をコツコツ進めることが肝心です。
(補足チェックリスト)
- まず持参するもの:診断書、医療費領収書、最近の通帳(3~6ヶ月分)、債権者の連絡先一覧、給与明細や年金通知
- 相談先:法テラス、日本弁護士連合会の相談窓口、地域の弁護士会
- 相談時に聞くべきこと:同様ケースの実績、費用の見積もり、手続きのスケジュール、代理範囲
最終セクション: まとめ(病気があってもあきらめないために)
病気がある場合でも、自己破産は重要な再建手段になり得ます。ポイントは「早めの相談」「事実を正直に整理して証拠化すること」「公的支援と弁護士等の活用」です。医療費や生活費の扱い、免責の可否はケースバイケースですが、十分に準備すれば裁判所に事情を理解してもらいやすくなります。
私の体験から言うと、病気によって生活が立ち行かなくなったとき、専門家に話すだけで不安が半分になることが多いです。まずは法テラスで相談予約を取るか、地域の弁護士会の無料相談を利用してみてください。あなたの置かれた状況に合った現実的な道筋が必ずあります。迷っている時間が続くほど精神的にも体力的にも負担が増えます。できるだけ早く一歩を踏み出しましょう。
自己破産・民事訴訟を徹底解説:訴訟があるときの手続き・影響・実務対応をわかりやすく解説
出典・参考(記事作成で参照した公的機関・信頼できる情報源)
- 日本司法支援センター(法テラス)公式サイト
- 裁判所(破産手続に関する案内)公式サイト
- 日本弁護士連合会(法律相談・弁護士の探し方)公式サイト
- 厚生労働省(傷病手当金、障害年金、高額医療費制度に関する案内)
- 信用情報機関(CIC/JICC)に関する一般的な情報ページ
(注)本記事は一般的な情報提供を目的としています。最新の法制度や手続きの細部は変更されることがあるため、実際の手続きの際は必ず法テラスや弁護士・裁判所の最新情報を確認してください。