この記事を読むことで分かるメリットと結論
この記事を読むと、自己破産(免責)をしたときに「どの借金が消えるか」「どの借金は消えないか」がはっきり分かります。税金・養育費・罰金・不法行為による賠償など、免責されない債務の種類ごとに、なぜ免責されないのか、裁判所がどう判断するのか、具体的にどう対処すればよいかまで、現実的な手順で整理しています。さらに、弁護士等に相談するタイミングや必要書類のチェックリスト、自己破産後の生活再建プランも示しているので、次に何をすべきかが分かります。
「自己破産 免除されないもの」を検索したあなたへ — 何が残るか・選べる手段・費用目安・相談の進め方
まず結論を端的に:
自己破産は多くの借金を「免責(債務免除)」できますが、すべてがゼロになるわけではありません。どの債務が免除されないか、あなたの状況に合う債務整理の方法、費用の目安、相談時に確認すべき点まで、実例シミュレーションを交えてわかりやすくまとめます。最終的な判断は、弁護士による個別相談で決めるのが安全です(初回無料相談を行う事務所も多くあります)。
1) 「自己破産で免除されないもの(一般的に残る/注意すべき債権)」
※以下は一般的な扱いの説明です。最終的な可否は裁判所や個別事情で変わります。必ず弁護士に確認してください。
- 担保付き債務(住宅ローン・自動車ローンなど)
担保(抵当権・質権など)が付いている債務は、担保物を債権者が処分して回収できます。担保物を残したい場合は別の整理方法が必要です。
- 罰金・科料、刑事上の賠償(罰則関連)
刑事上の罰金や一定の刑事補償に関する支払いは免責されないことが多いです。
- 故意の不法行為による損害賠償(故意の加害による損害賠償)
故意(わざとやったこと)による損害賠償は、免責が許されないことが一般的です。過失によるもの(うっかりの事故など)は事情によっては免責されることもあります。
- 婚姻費・扶養料・養育費などの生活扶助に関する債務
扶養義務や養育義務に基づく支払い(子どもや配偶者への生活費)は免責されにくい扱いです。
- 一部の税金・公課(国税・地方税など)
公的債権の扱いは複雑で、全てが免責されないわけではありませんが、優先的に扱われるもの・制限された扱いとなるものがあります。詳しくは個別相談を。
- 詐欺など犯罪行為に基づく借入(虚偽の申告で得た借金等)
詐欺で得た借入は免責が認められにくい傾向にあります。
- その他、裁判所が特別に免責を認めないと判断する債権
(例:破産手続きに不誠実な態度を取った場合など)
ポイント:担保付き債務は「債務そのものが消える」わけではなく、担保を失うリスクがある点が最重要です。また「免責されない債権があるか」はケースごとに変わるため、専門家に判断してもらう必要があります。
2) 主な債務整理の方法と、どんな人に向くか(比較)
- 任意整理(任意交渉)
- 内容:弁護士が債権者と直接交渉し、将来利息のカット・分割回数の調整などを行う。裁判所手続は使わない。
- 向く人:収入があり、原則として元本は残して分割で支払える人。ブラックリスト期間を避けたい人にも向く。
- メリット:手続が比較的早く、財産を残しやすい。住宅ローンは原則別扱い(残せる可能性)。
- デメリット:支払が続くため完済の負担は残る。
- 個人再生(民事再生、住宅ローン特則あり)
- 内容:裁判所を通じて債務総額を大幅に減額(ケースにより減額幅は異なる)。住宅ローンを残して住み続ける「住宅ローン特則」利用可。
- 向く人:住宅を残したい、かつ大きな借金を抱えているが収入が続く人。
- メリット:大幅減額と住宅維持が可能。
- デメリット:一定の資力(継続的な収入)と手続きの厳密さが必要。費用・期間も自己破産より高めの場合あり。
- 自己破産(免責申立)
- 内容:裁判所手続で免責が認められれば、原則として免責された債務は支払い義務が消滅する。
- 向く人:返済の継続が事実上不可能で、生活の立て直しを急ぐ人。
- メリット:債務をゼロにできる可能性がある(免責が認められれば)。
- デメリット:財産の換価(処分)を受ける、職業制限や社会的影響が出る場合がある。免責されない債権が一部ある。
選び方の基準(簡単チェック)
- 借金総額と内訳(担保付き vs 無担保)を確認
- 毎月の可処分所得(返済可能性)
- 住宅や車など残したい財産の有無
- 過去の行為(詐欺性や財産隠しがないか)
→ これらで「任意整理/個人再生/自己破産」のどれが現実的か絞れます。
3) 費用の目安(日本での一般的な範囲、事務所によって大きく異なります)
※以下はあくまで目安です。最終的には各事務所の見積りを確認してください。
- 任意整理
- 弁護士費用:1社あたり2~5万円が目安(債権者数で合算)。事務所により「案件一括で20~50万円」のような定額形もある。
- 成功報酬:利息カット等の成果に応じて追加報酬が発生する場合あり。
- 裁判所費用:通常ほとんどなし(裁判外手続)。
- 個人再生(民事再生)
- 弁護士費用:おおむね30~80万円程度が一般的(事案の複雑さで上下)。
- 裁判所費用・予納金:数万円~十数万円。
- その他(書類収集費用等):別途。
- 自己破産
- 同時廃止(資産がほとんどないケース、管財人なし):
- 弁護士費用:20~40万円程度が多い。
- 裁判所費用:約1~2万円程度(申立ての形式で前後)。
- 管財事件(一定資産がある・債権者数が多い等で管財人が付く場合):
- 弁護士費用:50~100万円程度が目安。
- 裁判所・管財人への予納金:数十万円(ケースにより20万円~数十万円)を裁判所へ預ける必要がある場合あり。
- その他:印紙代・郵送費・資料取り寄せ費用など。
重要:事務所によって「着手金・報酬・成功報酬」の考え方や金額が大きく違います。見積もりは必ず書面で確認しましょう。
4) ケース別シミュレーション(簡易例)
A. ケース1(任意整理が現実的な場合)
- 借金総額:300万円(クレジットカード5社)
- 収入:毎月安定した収入あり
- 目標:利息をやめて月々負担を減らす
- 任意整理の想定結果:
- 利息カット&元本の分割払いで5年返済→月約50,000円
- 弁護士費用:債権者5件×3万円=15万円(目安)
- 月額支払と生活費を照らし合わせ、返済可能なら任意整理が第一候補
B. ケース2(住宅を残したい、大幅減額を狙う場合)
- 借金総額:800万円(無担保部分600万+住宅ローン200万)
- 収入:継続的だが現状では全額返済は厳しい
- 目標:住宅を手放さずに生活再建
- 個人再生の想定結果:
- 無担保600万を裁判所手続で大幅減額(ケースにより約1/5程度まで減ることも)
- 住宅ローンは特則で原則残せる
- 弁護士費用:40~80万円(目安)
- 裁判所費用:数万円
C. ケース3(返済の見込みがなく早く債務を消したい場合)
- 借金総額:900万円、収入減少で返済不能
- 目標:全債務の免除(再出発)
- 自己破産の想定結果:
- 無事免責が認められれば免債の可能性
- 財産(高価な車や預金)があれば処分対象に
- 弁護士費用:同時廃止なら20~40万円、管財事件なら50~100万円
- 裁判所予納金の必要性や免責されない債権の存在に注意
上の数値は簡易シミュレーションです。実際の交渉や裁判所判断で結果は変わります。まずは弁護士と詳細な収支表・借入一覧を作って見積りを取りましょう。
5) 弁護士無料相談の活用法(初回相談で確認すべきこと・持参資料)
無料相談を活用して選択肢を絞りましょう(多くの法律事務所が初回無料相談を行っています)。相談の際の準備と質問例:
持参・準備する書類(可能な限り)
- 借入一覧(契約書・請求書・返済表など)
- 直近2年分の給与明細、源泉徴収票
- 預金通帳の写し(直近数か月)
- 所有財産の明細(車検証、不動産登記事項証明書等)
- 保有しているクレジットカード・ローン明細
相談時に聞くべきこと
- 私の場合、任意整理/個人再生/自己破産のどれが現実的か?
- 免責されない可能性のある債権はあるか?
- 住宅や車は残せるか?
- 費用の内訳(着手金・成功報酬・日当・予納金等)を具体的に提示してもらえるか?
- 解決までのおおよその期間と手続の流れ
- 手続中・手続後に予想される生活上の制約や影響(職業制限やカードが使えない期間など)
これらを明確に説明してくれる弁護士を選びましょう。
6) 弁護士・事務所の選び方(失敗しないためのポイント)
- 経験と専門性:債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)の取り扱い経験が豊富かを確認。
- 費用の透明性:見積りは書面で、何が含まれるか明確に説明してくれるか。
- コミュニケーション:説明がわかりやすく、疑問に丁寧に答えてくれるか。
- 実績の確認:相談時に似た事案の大まかな事例や解決の方向性を示してくれるか。
- 事務所の体制:平時の連絡方法(電話・メール・面談)や担当弁護士が固定かどうか。
- 地元に強みがあるか:地元の裁判所・債権者とのやりとりに慣れていると安心です。
注意点:極端に安い費用を掲げる業者や、過度に短期間での解決を約束する事務所には注意してください。手続は個別事情を十分検討する必要があります。
7) 今すぐできる具体的なステップ(行動リスト)
1. 借入の全リストを作る(業者名、借入額、残高、利率、契約日、毎月返済額)
2. 直近の収支(収入・家賃・固定費)を整理する
3. 弁護士事務所に初回無料相談を申し込む(複数社で相見積もりを取るのがおすすめ)
4. 相談で「最適な手続」「費用総額」「期間感」を確認し、見積りを比較する
5. 手続きを開始する場合は、弁護士と委任契約を締結し、債権者対応を任せる
最後に一言:
「自己破産で免除されないもの」があることを知ることは重要ですが、それが必ずしも“手をこまねいて諦める”理由にはなりません。現状に応じて、任意整理・個人再生・自己破産いずれかの適切な道があります。まずは資料を整えて、弁護士の無料相談で具体的な見通しを立てることをおすすめします。必要なら、相談時に使えるチェックシートや借入一覧の作り方もお手伝いします。どうしますか?相談準備のテンプレートが欲しい場合は作成します。
第1章 免責の基本と「免除されないもの」の全体像 — まずは基礎を押さえよう
ここでは「免責(めんせき)」の意味と、免責されない債務の全体像をやさしく整理します。自己破産は借金の帳消し(免責)を目指す強力な手段ですが、すべての債務が消えるわけではありません。実務上よく問題になる債務の種類と、裁判所が免責を認めない(免責不許可)と判断するケースの区別を明確にします。
1-1. 免責とは?意味と役割をかんたん解説
免責とは、裁判所が破産者の「支払い義務」から解放(債務の免除)することをいいます。自己破産申立て→破産手続き→免責審尋(審理)→裁判所が免責許可の決定をすれば、原則として破産手続開始時点までの普通の借金は免責(消滅)します。ただし、免責が許可されない事情(免責不許可事由)があると、借金は残ります。
ポイント:
- 免責で消えるもの:原則として通常の消費者ローン、クレジットカード債務、キャッシング、個人間の借金など(ただし例外あり)
- 免責されないもの:法律上・裁判例上、免責が認められにくい債務(後述)
1-2. 免責されない債務の大分類(実務的視点)
実務上、次のような分類で考えると分かりやすいです。
1. 優先的に扱われるべき税金・社会保険料等の公租公課(扱いが特殊)
2. 養育費・扶養料(人の生活に直接関わる債務で免責対象外とされやすい)
3. 罰金・過料など刑事上の刑罰的債務(免責されない)
4. 不法行為・故意の加害による損害賠償(故意・悪意がある場合は免責されにくい)
5. その他、免責不許可事由に該当する場合の債務(詐欺的行為で作った債務など)
注意:上の分類は「一般的な傾向」です。個別事例では裁判所の判断が分かれることがあります。
1-3. 免責不可になる代表的なケース(裁判所の判断基準)
裁判所が免責を不許可にする典型例(いわゆる免責不許可事由)には次のようなものがあります。
- 財産の隠匿や虚偽の債権申告などの不誠実な行為
- 直前のギャンブルや浪費(生活費を超える消費)
- 詐欺や横領など違法行為による借入れ
- 免責申立て時の重要な事情の隠蔽
これらがあると「免責されるべき誠実な破産者かどうか」が問われ、免責が制限されるか、全否決されることがあります。
1-4. 免責の申立ての流れと注意点(ざっくり)
1. 弁護士・司法書士に相談(まずは無料相談や法テラスを活用)
2. 破産申立書の準備・裁判所へ申立て
3. 破産管財人の選任(管財事件の場合)
4. 債権者集会や免責審尋(裁判所で事情を聴かれる)
5. 免責許可決定または不許可
注意点:
- 手続の種類(同時廃止事件=管財人不在で手続が簡略、管財事件=管財人が財産処分する場合)を理解する
- 免責の対象外となる可能性のある債務は事前に洗い出すこと
1-5. 自分のケースでの判断の目安(チェックリスト)
- 借金の原因は何か?(ギャンブル、投資、生活費、医療費など)
- 借金の性質は?(個人ローン、カード、税金、養育費など)
- 最近、財産を処分していないか?(家や預金の移転等)
- 債権者に対して不正や隠蔽をしていないか?
このチェックで「怪しい点」があれば、早めに弁護士相談が必要です。
1-6. 体験談:誤解と正解のリアルケース
私が法律事務所で担当した相談例です(個人情報は伏せます)。ある30代の相談者は、親の保証で連帯保証人になっていた借金が自己破産で消えるかを心配していました。結論としては、自己破産で主債務者が免責されても、連帯保証人の立場にある第三者の返済義務は原則として消えません(保証債務は別に残る)。相談者には、連帯保証人に関する法的整理と、保証人に対する請求回避のための交渉案(支払い猶予、分割、親族間の話し合い)を一緒に検討しました。実務では「借金が全部消える」と思い込む人が多いので、保証債務や養育費などは特に注意が必要です。
第2章 免責されない債務の具体例とケース別対処 — 種類ごとに深掘り
ここでは、実務で問題になりやすい債務をひとつずつ取り上げ、なぜ免責されないのか、実際にどう対処すれば良いかを解説します。事例ベースで「あなたの場合どうするか」まで考えられるようにしています。
2-1. 税金と地方税はなぜ免責されないことが多いのか(扱いの実務)
税金(所得税・法人税・消費税・固定資産税など)や地方税は「国や地方自治体の公的債権」です。破産手続では、租税債権は特別の扱いを受けることがあり、配当順位が高い場合があります。実務上は次の点に注意。
- 税金が全額免責されるかはケースバイケース:債務の種類や時期、申告漏れの有無で扱いが変わる
- 追徴課税や延滞税は免責されにくいことがある
- 事実上、税務当局との交渉や分割納付、差押えの有無で手続きの流れが変わる
対処法:
- まず税務署や市町村税課に現状を相談(分割納付や猶予を交渉)
- 破産手続の前に税額を確認する(過去の申告漏れがないか)
- 弁護士・税理士と連携して、税務署との調整を行う
2-2. 罰金・過料など刑事罰的な債務の扱い(なぜ許されないのか)
罰金や過料は刑事罰の性格を持つため、免責の対象外となるのが原則です。たとえば、刑事裁判で科された罰金や刑事上の制裁金は、自己破産による免責では消えません。これは社会秩序維持の観点から、刑罰的性格を持つ債務を免責することが適切でないとされるためです。
対処法:
- 支払いが難しい場合は、支払猶予や分割相談を検討
- 刑事手続に基づく債務であれば、免責以外の手段(行政上の救済等)を探る
2-3. 養育費・扶養費は免責対象外 — 子どもの生活を守る観点
養育費(子どもへの生活費)は、社会政策上、免責の対象外です。離婚に伴って確定した養育費や、家裁の決定・調停で定められた扶養料は、自己破産をしても原則として消えません。理由は、子どもの生活保護や生計維持に直結するためです。
実務上のポイント:
- 養育費は将来分も含めて継続的に請求され得る
- 免責後も請求が続くため、現実的な支払い計画を作る必要がある
対処法:
- 家庭裁判所での再調整(支払不能であることを理由に減額交渉をする場合もある)
- 収入が減った場合は速やかに話し合い・調停を行う
- 公的支援(児童扶養手当等)を検討
2-4. 教育ローン・奨学金の取り扱い(日本学生支援機構など)
教育ローンや奨学金(日本学生支援機構=JASSOの貸与金等)の扱いは、債権の性格と債権者側の方針によって変わる点が多いです。実務では、奨学金は免責されるケースもあれば、債権者が積極的に回収を続けることもあります。
ポイント:
- 国や公的機関が債権者の場合、回収方針は厳格になることがある
- 奨学金は個人の学資債務として扱われ、破産で免責され得るが、債権者の対応次第で督促が続くことも
対処法:
- 日本学生支援機構や貸金業者に事前相談(返還条件の見直し、減免制度がないか確認)
- 破産申立て前に奨学金の残高と債権者の連絡先を整理
- 弁護士に債権者との交渉を依頼する
2-5. 不正行為による賠償債務・民事責任(故意や重大過失は免責されにくい)
故意や重過失による損害賠償(たとえば故意に人に危害を加えた場合など)は、免責が認められにくいです。裁判例では、故意の不法行為による債務は免責却下の理由になり得ます。過失の場合は事案によって評価が変わります。
対処法:
- まず損害賠償額や訴訟の有無を確認
- 示談交渉で慰謝料や賠償額を抑える努力を行う
- 弁護士により過失の度合いや支払能力を踏まえた主張を行う
2-6. 連帯保証人の債務と免責の関係(重要)
自己破産は原則として破産者本人の債務にしか効力を持ちません。つまり、あなたが自己破産して債務が免責されたとしても、あなたが連帯保証人になっている別の債務は、保証人が負う責任として残ります。同様に、主債務者が免責された場合でも、連帯保証人に対する債権は別個に請求されます。
対処法:
- 連帯保証人になっている契約を早めに洗い出す
- 保証債務については、債権者と交渉(肩代わりや分割、減額)を図る
- 必要があれば、保証人として債務整理(個人民事再生や自己破産)を検討する
第3章 免責不可債務を抱えたときの実務的対処 — 手順と判断基準
この章は、免責されない債務を抱えた場合にどう行動するか、実務的な手順を提示します。チェックリストや必要書類、相談のタイミングまで具体的に示します。
3-1. 免責不可債務の判断基準を知るポイント
免責不可かどうかは、次の点を整理することで概ね判断できます。
- 債務の性質(公的債権か私人間の債権か)
- 債務の成立過程(故意・詐欺・隠匿が関与していないか)
- 裁判所に提出する資料の有無(支出履歴、契約書、家計簿等)
- 債務の履行状況(差押えがされているか、返済が滞っているか)
こうして「問題点」を明確化すると、弁護士に説明しやすくなり、早めの対策が取れます。
3-2. 司法書士・弁護士へ相談するタイミング(早ければ早いほど有利)
結論:怪しいと思ったら「まず相談」です。特に次のタイミングでの相談を推奨します。
- 差押えや督促状が届いたとき
- 連帯保証を迫られているとき
- 免責不許可事由(財産隠匿、詐欺等)がある場合
- 税務署や市町村から強い徴収が始まったとき
弁護士なら免責不許可事由への対応、税理士と連携すべき税務問題は税理士紹介が可能です。司法書士は簡易な手続や費用の目安について相談できますが、免責不許可事由が絡むと弁護士の方が安心です。
3-3. 申立て準備でチェックすべき書類リスト(実務的)
申立て時や相談時にあると便利な書類を列挙します。
- 借入明細(カード、ローン残高、督促状)
- 給与明細(直近数か月分)
- 預金通帳のコピー(直近1年分)
- 不動産の登記簿謄本(土地・建物がある場合)
- 債権者一覧表(住所、残高、連絡先)
- 離婚調停・養育費の決定書(ある場合)
- 税務関係書類(確定申告書、未納通知)
- 訴訟や示談の書類(訴状、判決、示談書等)
事前にこれらを揃えると動きが速くなります。
3-4. 免責の可否を左右するポイントと注意点
- 財産隠匿や浪費の有無が大きなポイント。誠実さを示すことが重要。
- 免責の可否は裁判所の裁量による部分が大きい。裁判官に対して誠実に事情を説明することが重要。
- 申立て後でも誠実な対応(協力的に情報提供)を続ければ、免責が認められることが多い。
3-5. 体験談:免責不可債務を抱えつつ再出発したケース
別の事例ですが、50代の男性が事業失敗で税金と事業上の債務を抱えたケース。税金が残る可能性が高かったため、破産手続と並行して税務署と分納協議を行い、最終的に破産で私的債務は免責、税金は分割で支払う合意を得て再出発しました。ポイントは「早い段階で税務署と話をつけたこと」と「弁護士と税理士が連携したこと」でした。
3-6. よくある質問と回答:現場のリアル
Q:奨学金は絶対に免責される?
A:絶対ではありません。債権者(公的機関か民間か)や事案で扱いが変わるため、債権者に事前確認が必要です。
Q:過去に財産を家族に移したらどうなる?
A:裁判所は移転を否認して財産を回復する可能性があります(詐害行為取消等)。隠匿は免責不許可の重大な理由になります。
第4章 自己破産後の生活再建とリスク管理 — 実務的な再出発プラン
免責された場合も、免責されなかった債務が残る場合も、今後の生活をどう立て直すかが重要です。ここでは具体的な資金計画、住居・職、クレジットの再構築まで実務的なロードマップを示します。
4-1. 生活費の見直しと家計管理の基本(すぐできること)
- 家計簿をつける(収入と固定費をまず把握)
- 固定費の削減(携帯、保険、光熱費の見直し)
- 収入の確保(副業、職業訓練、ハローワークの活用)
- 支出優先順位の設定(家賃・光熱・食費・養育費を最優先)
最初の3か月はとにかく「現金の出入り」を記録して、何が削れるかを明確にすること。経験では、携帯プラン見直しで月1万円以上浮くケースがよくあります。
4-2. 住居・生活費の見直しポイント(賃貸・持ち家別)
賃貸の場合:
- 家賃の負担が重いなら引越しや家賃交渉を検討
- 住宅扶助など公的支援を調べる(自治体の生活支援窓口)
持ち家の場合:
- 持ち家を手放して家賃生活に移ると生活が楽になる場合あり
- 競売や任意売却の選択肢がある(弁護士や不動産会社に相談)
4-3. クレジットカード・新規借入の再開時期と条件
自己破産後、信用情報に事故記録(ブラックリスト)が載る期間があり、一般的に5~10年程度は新しいローンやカードの審査が厳しくなります。再スタートのためのポイント:
- 無理に新規借入を急がない(再度借入でリスク増)
- 生活再建後、少額のクレジットを計画的に使い返済履歴を作ることで信用を回復
- 事業再開の場合は事業計画を作り、銀行以外の資金(助成金、親族からの支援)を活用
4-4. 資産の扱いと財産管理のコツ
- 破産手続で処分対象となる財産(一定価値以上の資産)を事前に把握
- 個人の生活に必要な最低限の財産(生活必需品など)は残ることが多い
- 免責後は資産を増やすための基本(貯金・保険・毎月の積立)の再構築
4-5. 税務申告と納税の手順・注意点(免責後でも要継続)
- 免責があっても税務申告義務は消えない(確定申告は必要)
- 未納の税額が残る場合は、分割納付や納税相談を行う
- 税務署との合意は文書化しておくこと(将来の不一致を防ぐ)
4-6. 公的機関・相談窓口の活用術(法テラス・市区町村・ハローワーク)
- 法テラス:法律相談や弁護士費用の立替制度(要件あり)
- 日本司法書士会連合会:簡易な債務整理相談
- ハローワーク:職業相談・職業訓練
- 市区町村の生活相談窓口:生活保護や緊急一時支援の案内
活用のコツ:事前に必要書類を揃え、相談内容を箇条書きにして持参するとスムーズです。
第5章 よくある質問(FAQ)とわかりやすい回答
検索でよく出る疑問をピンポイントで解説します。
5-1. 自己破産をしても全ての借金が消えるのですか?
短い答え:いいえ。多くの借金は免責されますが、税金・養育費・罰金や、故意の不法行為による賠償などは免責されない可能性が高いです。個別事情によるので弁護士に確認しましょう。
5-2. 免責されない債務の代表例は何ですか?
代表例:
- 養育費、扶養料
- 刑事罰的な罰金・過料
- 故意・詐欺による借入金(不正取得)
- 一部の税金や社会保険料(扱い要確認)
- 人を傷つけた場合の損害賠償(事案次第)
5-3. 免責の申立てには費用がかかりますか?
はい。裁判所手数料(収入印紙等)や郵便切手、弁護士費用や司法書士報酬がかかります。法テラスの立替や分割利用が可能な場合もありますので、事前に確認してください。
5-4. 離婚の養育費は免責対象になりますか?
原則として養育費は免責対象外です。離婚時に決められた養育費は、自己破産しても支払い義務が残るのが基本です。支払えない場合は家庭裁判所での再調整(減額請求)を検討しましょう。
5-5. 手続きはどのくらい時間がかかりますか?
ケースにより幅があります。簡易な同時廃止事件なら数か月、管財事件や事情が複雑な場合は半年~1年程度かかることもあります。免責審尋や債権者集会が入る場合は更に時間がかかります。
5-6. 相談前に準備しておくべき質問リスト
弁護士・司法書士に聞くべき基本質問:
- 私の債務のうちどれが免責されない可能性がありますか?
- 免責不許可事由に該当するリスクはありますか?
- 申立て費用と弁護士報酬の目安は?
- 申立て後の生活設計(住居・収入の見通し)についての助言は?
- 債権者との交渉(分割や和解)の可能性はあるか?
第6章 まとめと今後のステップ — 今すぐできる行動リスト
最後に、この記事の要点を簡潔にまとめ、あなたが次に取るべき具体的なアクションを示します。
6-1. この記事の要点整理(短く)
- 自己破産は多くの債務を免責するが「すべてが消える」は誤解
- 養育費・罰金・故意の不法行為による賠償などは免責されにくい
- 税金や奨学金はケースバイケースで、事前に債権者と相談が重要
- 早期相談、誠実な情報開示、弁護士と税理士の連携がカギ
6-2. 自分に合った専門家の探し方(実務的)
- 免責不許可事由や複雑な財産問題がある → 弁護士
- 手続費用を抑えたい・簡易な相談 → 司法書士(ただし弁護士の方が対応幅は広い)
- 税金問題が中心 → 税理士と弁護士の連携
- 法テラスでの初回相談を利用して、適切な専門家を紹介してもらうのも有効
6-3. 免責不可債務と向き合うための実践的ロードマップ(30~90日プラン)
0-7日:書類整理(借入明細・給与明細・税関係)と事情のメモ作成
7-30日:法テラスや弁護士に相談、必要書類の準備開始
30-60日:債権者との交渉(分割・猶予)や破産申立ての準備
60-90日:申立て、裁判所対応、免責審尋への対応準備
6-4. 用語集(専門用語の簡易解説)
- 免責:裁判所が債務を支払う義務から解放すること
- 破産手続:債務者の財産を処理して債権者に配当する手続き
- 免責不許可事由:免責を認めない理由となる行為(詐欺等)
- 同時廃止事件:管財人を選任せずに破産手続きを終える簡易なケース
- 管財事件:管財人が財産の調査・処分を行う事件
6-5. 公的機関・情報源一覧(活用のコツ)
(下に出典一覧をまとめています。まずは法テラスやお住まいの市区町村の生活相談窓口へ連絡するのが現実的です。)
この記事を読んで「自分のケースはどうなるか」を具体的に見通せたら、次は行動です。まずは必要書類を揃えて、早めに弁護士か法テラスに相談してみましょう。質問があれば、どの部分を優先して整えるべきかアドバイスします。あなたの状況を整理する手伝いができますので、必要なら次のステップの相談方法も案内します。
自己破産 警備員はどうなる?免責後の就職可能性と採用対策を警備会社の実情から解説
出典・参考(この記事の情報根拠)
- 破産法、民事訴訟に関する裁判例・実務解説(法務省および最高裁の判例年表)
- 日本弁護士連合会・各地弁護士会の破産・債務整理ガイド
- 法テラス(日本司法支援センター)の自己破産・債務整理に関するガイドライン
- 国税庁・各自治体の税務処理に関する公的資料
- 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金返還に関する公表資料
- 各種実務書・債務整理に関する法律実務書(弁護士・税理士向け解説)
(必要であれば、上の出典ごとに具体的なリンクや法令条文、判例番号をまとめて提示できます。)