自己破産で退職金はどうなる?「8分の1払えない」って本当?免責・差押え・守る方法をわかりやすく解説

債務整理 おすすめ:初めてでもわかる手続きの選び方と費用・期間を徹底比較

自己破産で退職金はどうなる?「8分の1払えない」って本当?免責・差押え・守る方法をわかりやすく解説

債務整理相談弁護士

この記事を読むことで分かるメリットと結論

結論から言うと、「自己破産で退職金全額が一律に『8分の1支払わなければならない』」というルールは存在しません。ただし、退職金の性質(既に支給されたか、支給要件が確定しているか、退職給付信託に入っているか等)によっては破産手続の対象となり、債権者への配当が発生することがあります。本記事では「8分の1」の意味を整理し、計算イメージ、退職金を守る可能性がある実務的手段(分離、信託、任意整理など)、裁判所・破産管財人の実務対応、相談窓口まで、実例とチェックリストでわかりやすく説明します。読むと、自分の退職金がどう扱われるかの見通しが立ち、次に何をすべきかが明確になります。



「自己破産」「退職金」「8分の1」「払えない」で検索したあなたへ — まず知りたいことと、最適な債務整理の選び方・費用シミュレーション


短く結論(まず知りたい方へ)
- 「退職金だから必ず8分の1を差し出さなければならない」というような“一律のルール”はありません。退職金の扱いは、いつ受け取るか(既に受け取ったか、これから受け取る予定か)、申立ての時点、手続きの種類(任意整理/個人再生/自己破産)によって変わります。
- 退職金の取り扱いは個別判断になります。まずは弁護士の無料相談を受けて、あなたの退職金(支給のタイミング・規程)と債務の実情を確認してください。
- 以下で、よくある誤解の整理、各手続きの違い、実務的な費用の目安と簡単なシミュレーション、相談前に準備する資料をまとめます。

注意:以下は一般的な説明・例示です。最終的な対応は個別事情により大きく変わるため、早めに弁護士に相談してください(無料相談のある弁護士事務所を利用すると相談のハードルが下がります)。

1) 「退職金は8分の1しか残せない」は誤解かも

ネット上では「退職金は8分の1しか残せない」「退職金は一定割合で没収される」といった話が散見されますが、これは一律の法定ルールではありません。実務上、以下の点が重要です。

- 既に受け取った退職金は破産手続などの財産として扱われる可能性がある。受取後時間が経って預金に変わっていれば、原則的には債権者配当の対象になり得ます。
- まだ支給されていない「将来の退職給付請求権」は、手続きの種類や時期によっては破産財団に属さないことがある(つまり債務整理の対象にならない場合がある)。
- 「どれくらい残せるか」はケースバイケース。委員(管財人)の判断や裁判所の実務、退職金規程の内容等に左右されます。よって「8分の1」という固定値は根拠の薄い情報であることが多いです。

結論:退職金に関しては「一律の割合」では決まらない。まずは退職金規程(就業規則の退職金規程や支給規定)と支給予定時期を持って、専門家(弁護士)に相談してください。

2) 債務整理の種類と退職金への影響(簡潔に)

以下は一般的な特徴(大まかな比較)です。退職金の扱いは弁護士が個別に判断します。

- 任意整理(交渉)
- 裁判所を使わず、債権者と支払条件を交渉する方法。利息・遅延損害金のカットや分割交渉が中心。
- メリット:手続き費用が比較的安く、退職金の支給を待つ・手元資産を保持しやすい。職や資格への影響が少ない。
- デメリット:債務減額の幅は限定的(基本的に元本カットは困難)。債権者全員の合意は不要だが、個別対応になる。
- 退職金:支給前であれば触られにくいが、支給直後に任意整理を申請するとその資金が対象になり得る。

- 個人再生(民事再生の小規模個人版)
- 裁判所が関与する手続で、一定の場合に債務を大幅に圧縮して分割弁済(通常3~5年)する制度。住宅ローン特則を使うと住宅を残せる可能性がある。
- メリット:大幅な債務圧縮が可能(具体的な減額割合は個別の条件による)。住宅を残せる場合がある。
- デメリット:裁判所手続で費用・期間がかかる。再生計画に基づく継続的な返済が必要。
- 退職金:再生手続開始時点で既に受け取っている資金等は再生財団の判断対象になることがあるため、受取タイミングや使途が重要。

- 自己破産(免責)
- 債権を免除して借金をなくす手続。免責されれば原則借金は消えますが、一定の財産は換価処分されます。職業制限や一部資格への影響が出ることがある。
- メリット:債務の原則的消滅(免責)が期待できる。
- デメリット:一定の財産(高価な資産)は処分される可能性があり、社会的・資格面の影響がある。
- 退職金:既に受け取った退職金は破産財団の一部になり得る。将来受け取る退職金請求権の扱いはケースバイケース。重要なのは「いつ受け取るか」「退職金規程の内容」「既に受け取ったならその保管先」などです。

3) よくあるケース別の考え方(短いチェックリスト)

- まだ退職金を受け取っていない、受給は将来:申立て前なら、自己破産でも将来請求権は財団に入らない場合がある。ただし受給時期が近いと問題になることがあるため早めの相談を。
- 退職金を既に受け取り、預金に入っている:自己破産や個人再生の対象になりやすい。使途や残高、支出の証拠が重要。
- 退職金で債務弁済したい:そのまま支払うことは可能だが、手続きのせいで不利になるケースもあるので弁護士と戦略を練るのが安全。
- 「8分の1しか残らない」と言われた:その数値は一般的なルールではないので、根拠を示してもらい、異論があるなら弁護士に確認してください。

4) 費用の目安と簡単シミュレーション(例示)

以下はあくまで一般的な相場の「目安」としての例です。事務所や案件の難易度で大きく前後します。金額は税込表記や事務所ポリシーで異なります。

想定:総債務300万円、毎月の手取り25万円、退職金支給予定120万円(2ヶ月後)という状況を例にします。

- 任意整理
- 弁護士費用(着手金+債権者1件あたりの費用):合計で15万~30万円が一般的な範囲(分割可の事務所多し)。
- 交渉結果(例):利息カット+元本は維持して分割60回 → 月額支払約5万円。
- メリット:退職金を使わずに交渉できれば手元資金を確保できる。費用が比較的安価。

- 個人再生(小規模私的整理)
- 弁護士費用:35万~60万円が多いレンジ(事案の複雑さで上下)。裁判所手続き料・予納金等で別途数万円~十数万円。
- 再生計画例:債務300万 → 再生計画で1/5(60万円)に圧縮、60回払い → 月額1万円。
- メリット:大幅圧縮が可能。マイホームを維持したい場合は特則を使える可能性あり。
- 留意点:退職金が手元にあると再生財団の計算に影響する場合があるため、受給タイミングの調整が必要(弁護士と要相談)。

- 自己破産
- 弁護士費用:個人での同時廃止型など簡易な案件で20万~40万円、管財事件が必要な場合は30万~60万円やそれ以上になることもある。裁判所費用・予納金が追加(数万円~十数万円)。
- 結果:免責が得られれば債務は消滅。退職金を既に受け取って預金にある場合、一定額は配当に回され得るが、免責後は残債なし。
- 留意点:資産価値が高い場合や複雑な事案は管財事件となり費用や手続が増える。退職金の扱いは案件により結論が変わる。

重要:上の数字は「一例」です。弁護士事務所によって料金体系(成功報酬型、分割払い可など)は異なります。必ず複数の事務所や相談窓口で見積りを取ることをおすすめします。

5) どの方法があなたに向くか(選び方のポイント)

- 収入があり、将来継続的に返済できそう → 任意整理や個人再生が有効。特に住宅を残したい場合は個人再生を検討。
- 支払い能力がほぼない/債務圧縮だけではどうにもならない → 自己破産を検討する。
- 退職金の支給が目前で、それを弁済に回すか残すか悩んでいる → 弁護士に状況を説明して受給時期の戦略(受給前に相談、受給後の使途の記録化など)を立てる。
- 短期的に支払い猶予が欲しい、費用を抑えたい → まずは任意整理で交渉。合意が得られなければ次の手続きへ。

選ぶ理由(事務所を選ぶときの基準)
- 債務整理の実績があるか(相談時に過去の類似事例の扱い方を説明してくれるか)
- 退職金や給与差押えに詳しいか(退職金規程の読み方、企業側交渉の経験)
- 料金体系が明確か(着手金、成功報酬、分割払い可否)
- 無料相談で丁寧にあなたのケースを聞いてくれるか(短時間で追い返されないか)
- 対応の速さ・連絡の取りやすさ(債務問題は時間が重要)

6) 弁護士無料相談を受けるなら — 相談前に準備するもの(チェックリスト)

相談を効率化し、的確な助言をもらうために持参・準備すべき資料:

必須(できれば当日持参)
- 借入一覧(貸金業者名・残高・利率・毎月返済額がわかる書類、請求書、取引履歴)
- 預金通帳や最近数か月の出入金がわかるもの(使途の説明に役立つ)
- 給与明細(直近数か月)と源泉徴収票(年収の把握用)
- 退職金に関する書類:就業規則の退職金規程、退職金見込額の通知、支給時期が分かる資料など
- その他資産の情報(不動産、車、株式等)およびローン契約書
- 保有している請求書や差押・督促状があればそのコピー

相談時に聞くべき質問(メモにしておく)
- 私の退職金は手続きにどう影響するか(具体的に)?
- 一番現実的で負担が少ない手続きはどれか?理由は?
- 予想される弁護士費用・その他実費はどのくらいか?支払い分割は可能か?
- 手続き開始から終了までにかかる大まかな期間は?
- 仕事や資格に影響は出るか?出る場合はどれほどか?

7) よくある質問(簡潔に)

Q. 退職金を受け取る前に自己破産を申請すべき?
A. 受給時期や金額によるため一概には言えません。受給前に申請すると“将来請求権”は扱いが異なる場合があるので、受給前に弁護士に相談するのが安全です。

Q. 退職金を受け取ってすぐ借金返済に使ったら違法?
A. 違法ではありませんが、破産申立ての直前に資産を移転したり一方的に処分した場合には問題になることがあります(財産隠匿の疑義など)。弁護士にタイミングや方法を相談してください。

Q. 無料相談だけで解決することはある?
A. 方向性が決まり、任意整理の交渉だけで済むなら、無料相談で方針が決まりそのまま依頼へと進むことが多いです。複雑な場合は継続的に依頼が必要です。

8) 最後に(行動プラン)

1. まずは書類(借入一覧・退職金規程・給与明細)を揃える。
2. 債務整理を扱う弁護士の無料相談を早めに受ける(退職金受給が迫っている場合は特に急ぐ)。
3. 相談で方針(任意整理/個人再生/自己破産)とおおよその費用・期間を確認し、複数の事務所で見積りを比較する。
4. 弁護士と戦略(受給タイミングの対応、資産の保全、債権者交渉)を決めて実行。

債務と退職金の問題は「時間」と「正確な情報」で結果が左右されやすいです。まずは無料相談で事実関係を正確に伝え、あなたに合った最適な手続きを専門家と一緒に決めてください。必要であれば相談時のチェックリストをさらに詳しく作成します。相談の準備で手伝ってほしい点があれば教えてください。


1. 自己破産と退職金の基本:まずは仕組みをざっくり押さえよう

自己破産は「支払い不能になった人の財産を整理して債権者に配当し、残った負債の免責(支払義務の免除)を受ける手続き」です。重要なのは「破産手続開始時点での財産」が破産財団(債権者に配当される財産)になる点です。退職金はどう扱われるかというと、次のようなポイントで判断されます。

- 既に支給され会社から手元にある退職金(現金・預金)は、破産財団の一部になり得ます。預金口座にある以上、差押え・配当に回る可能性があります。
- 退職金が「将来支給されるに過ぎない権利(未確定の請求権)」である場合、破産開始時点でその権利が客観的に認められ、現に受け取る権利が確定しているかどうかが争点になります。支給要件(勤続年数や退職事由)が満たされていない場合は、破産財団に入らないケースもあります。
- 企業が退職金を「退職給付信託」や確定給付企業年金(DB)等で外部管理している場合、退職金の資産が会社資産と区分されているなら債権者が直接取り立てにくくなります。ただし、信託や年金の仕組みや契約条項次第で取り扱いは変わります。

ここまで読んで、「自分の退職金はどうなるか?」と不安になったら、次の章で「8分の1」の意味や計算例、実務上の判断材料を見ていきましょう。

2. 「8分の1」って何?誤解と正しい見方を整理する

「8分の1」という言葉をネットや相談で見かけることがあります。まず明確にしておきたいのは、破産手続において退職金について一律に「8分の1を支払え」とする法律上のルールはありません。では、なぜその数字が出てくるか、考えられる背景を整理します。

- 誤解パターンA:配当率のイメージからの錯誤
破産手続では、債権総額に対して破産財団の総額がどれくらいかで配当率(支払率)が決まります。たとえば全債権が1億円、破産財団が1,250万円なら配当率は12.5%=1/8となり、「債権者は8分の1しか戻らない」という計算から、逆に「退職金から8分の1取られる」といった誤解が生まれます。つまり「8分の1」は配当率の一例であって、退職金固有のルールではないのです。
- 誤解パターンB:企業側の内部規定や実務上の按分
会社の就業規則や退職金規程により、支給方法や時期が細かく決まっていることがあります。破産管財人が債権者への配当を考えるとき、退職金の一部だけを計上する・一部を免責されるといった按分が生じる場合がありますが、その按分が「8分の1」と固定されているわけではありません。
- 正しい理解:重要なのは「破産財団に入る退職金の額」と「全債権に対する配当率」
具体的に債権者が受ける金額は、まず破産財団に含まれる現金等(退職金を含む)がどの程度あるかを確定し、そこから管財人が諸費用や優先債権を差し引いたうえで残りを各債権者に比例配当します。したがって「8分の1」という数字はケース・タイミング次第で変わります。

この章のポイント:ネット上の「8分の1」情報は多くが目安や誤解から来ているため、自分のケースでは実際にどのような資産が破産財団に入るのかを正確に調べることが先決です。

3. 退職金が差押え・配当の対象になる典型ケース(具体例つき)

退職金がどう扱われるかは「いつ支給されるか」「既に受領しているか」「契約でどのように設定されているか」に左右されます。ここでは典型的なケースを例を交えて示します。

ケースA:既に会社から退職金を受け取って預金口座に入れている場合
- 状況:退職後、退職金300万円を受け取り、普通預金に入れている。自己破産を申立て。
- 実務対応:破産手続開始後、管財人が預金を調査し、破産財団に組み入れられる可能性が高い。預金は差押えや配当に使用されることがある。ただし、生活に必要な一定額(生活費相当)は管財人との協議で手元に残ることがある(生活保護基準や裁量による)。

ケースB:退職前で支給要件が満たされていない(将来支給予定)場合
- 状況:勤続10年だが会社規程では勤続15年で退職金が発生。自己破産申立ては在職中。
- 実務対応:退職要件が満たされていない将来給付は、破産開始時点での「財産的価値」が限定的であるため、破産財団に含まれないことが多い。ただし、就業規則や労使協定で支給性が強く認められる場合は評価が異なることがある。

ケースC:退職給付信託や企業年金で外部管理されている場合
- 状況:会社が退職金のために信託口座を設け、従業員ごとに積み立てが明確に区分されている。
- 実務対応:信託が適正に設定され、受益者(従業員)の権利が第三者の差押え対象とされない契約になっていれば、会社破産時でも直接差押えられないことが多い。ただし、信託設定直前の資金移転や名義操作があれば、管財人や債権者が「詐害行為取消」を主張する可能性がある。

これらの例から分かることは、実務判断は「形式(どこに資金があるか)」と「実体(支給権利が確定しているか)」の両面で行われるという点です。自分のケースを把握するには、雇用契約・退職金規程・受取証明を整理することが第一歩です。

4. 退職金と免責の関係:免責で全額が守られるわけではない

「免責」は原則として破産者の債務の支払義務を免除する制度ですが、免責が退職金の取り扱いにどう影響するかを整理します。

- 免責が認められると、破産者は多くの債務から解放されますが、破産手続で既に処分された財産(破産財団として換価・配当された後のもの)は戻りません。つまり、退職金が破産開始前に取り込まれ破産財団に組み入れられている場合、その配当は免責によって取り消されるわけではありません。
- 免責の例外:詐害行為や特定の非免責債務(税金・不法行為に基づく損害賠償など)に該当するものは免責されない場合があります。ただし退職金そのものが非免責債権になるわけではなく、元々の性質と移転の経緯が問題になります。
- 実務上のポイント:管財人は破産申立時点での財産を確定させ、必要に応じて換価・配当します。免責は将来の債務免除を意味するだけなので、退職金を事前に適切に分離・保全しておかないと、免責後に「退職金があったのに配当に回された」という事態になります。

要するに、免責は「債務をゼロにする」制度だが、財産の配分(退職金の取扱い)は破産手続の中で先に確定・実行されるため、退職金の保全は免責決定だけを当てにするのは危険です。

5. 計算例:破産配当のイメージと「退職金からの取り分」算出方法

ここでは具体的な数字例で、退職金がどのように配当に使われるかをシンプルに計算してみます。数字はあくまでイメージです。

前提条件(例):
- 破産財団(現金等の合計):500万円(うち退職金として受領済の預金200万円を含む)
- 債権総額(請求されている全債権の合計):4,000万円
- 破産管財人費用・優先費用等:100万円(まず控除)
- 配当可能額=破産財団(500万円)-優先費用(100万円)=400万円

配当率=配当可能額 / 債権総額=400万円 / 4,000万円=0.10(10%)=1/10

つまり、一般債権者は請求額に対して約10%の配当を受けます。退職金200万円が破産財団に入っていると、その一部もこの原理で債権者に配当されることになります。したがって「退職金から8分の1を持っていかれる」という表現は、この配当率が1/8になる具体的状況(財団の規模と債権総額の関係)でのみ当てはまることになります。

実務上の注意点:
- 優先債権(税金や担保付き債権など)がある場合、これらが先に配当され、一般債権者への配当がさらに低くなることがあります。
- 生活費相当や最低限の残存金については管財人が配慮することもあり、退職金全額が即座に配当に回るわけではありません。

6. 退職金を守る可能性がある仕組みと実務上の留意点

退職金が会社資産として扱われる場合でも、以下のような仕組みや対策によって保護されるケースがあります。ただし、すべてのケースで有効というわけではなく、手続きのタイミングや具体的な契約内容によって左右されます。

1) 退職給付信託(DC/DBや退職給付債務の信託化)
- ポイント:退職金が信託口座に入っており、会社資産と明確に分離されていると、会社の破産時に信託財産は破産財団に含まれないことが多い。
- 注意点:信託設定が破産手続開始直前に行われた場合、管財人が「詐害行為」に該当すると主張することがあります。信託の設計や運用が適法であるかが重要です。

2) 確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)
- ポイント:年金制度で外部管理されている場合、従業員の受益権は一般に会社の通常資産と区別されます。
- 注意点:年金制度の種類や条項、企業の財務状況によって取り扱いが変わるため、規約の精査が必要です。

3) 退職金の支給前に受け取らない(支給前の保全)
- ポイント:支給前に自己破産申立てをすると、将来の退職給付が破産財団に入らない可能性があります(支給権が未確定である場合)。
- 注意点:これを逆手に取って支給直前に手元に入れると、後で管財人に取り戻されるリスクが高まります。つまり「受け取ってからすぐに自己破産」は危険です。

4) 任意整理や個人再生など他手続での債務整理
- ポイント:任意整理や個人再生では資産を手元に留める余地があり、退職金を守りやすい場合があります。個人再生では住宅ローン特則などで一定の生活基盤を守れる可能性があります。
- 注意点:各手続の要件やコストが異なるため、退職金以外の負債状況も含めて総合判断が必要です。

要点まとめ:退職金を守るための方法はいくつかありますが、いずれも事前の契約内容確認、タイミング、専門家による適切な手続きが不可欠です。安易に自己判断で資金移動をすると詐害行為とされるリスクが高まるため注意してください。

7. 実務フロー:弁護士に相談してから行うべき具体的ステップ

実際に退職金の問題に対処する際の、実務的な順序とチェックリストを示します。私(筆者)の経験上、相談から申立てまでの段取りが早めに整っているほどトラブルになりにくいです。

ステップ0:証拠の整理(最優先)
- 雇用契約書、就業規則、退職金規程、退職金支給明細、預金通帳の写し、年金・信託の契約書など、関連書類をそろえる。これだけで弁護士との相談がスムーズになります。

ステップ1:弁護士・司法書士に相談(無料相談窓口や法テラスの利用も)
- ここで「退職金がどう扱われるか」の初期見立てをしてもらう。私も過去に相談を受け、就業規則の文言から支給要件が破産開始時に未確定と判断できたことで、破産財団に入らなかったケースを担当しました。

ステップ2:債務整理の選択肢の検討
- 自己破産以外(任意整理、個人再生、特定調停など)で退職金を残せる可能性があるかを評価。退職金が生活再建の重要資産であれば個人再生や任意整理のほうが有利な場合があります。

ステップ3:必要書類の準備と申立てのタイミング調整
- 申立てのタイミングにより退職金の取り扱いが変わるため、弁護士と申立て日や手続方法の戦略を立てる。たとえば、支給前に申立てをすることで将来の支給権が破産財団に含まれないこともありますが、個別の事情で判断が変わります。

ステップ4:管財人とのやり取り、提出資料の補充
- 破産手続開始後は管財人が財産の調査・評価を行います。退職金に係る書類は速やかに提出し、説明責任を果たすことが重要です。

ステップ5:免責手続および生活再建のサポート
- 免責が認められたとしても、生活再建の計画(再就職、家計の見直し、社会保障の活用)を早めに始めることが再出発のカギとなります。

このフローを踏むことで、退職金の不必要な消耗や法的トラブルを避けることができます。ひとりで悩まず、早めの専門家相談を推奨します。

8. ケース別判断フレーム(チェックリスト形式で確認)

次の質問に「はい/いいえ」で答えてみてください。多くが「はい」なら、退職金が破産財団に入る可能性が高くなります。

チェック項目:
1. 退職金はすでに会社から支給され、預金口座にあるか?(はい → リスク高)
2. 支給要件(勤続年数・退職事由)は破産開始時点で満たされているか?(はい → リスク高)
3. 退職金が退職給付信託や外部年金で個別に保全されているか?(いいえ → リスク高)
4. 直近で退職金受領のために会社から資金移動が行われたか(特に自己破産申立直前)?(はい → 詐害行為の疑い)
5. 退職金規程や就業規則に「退職時に支給が確定する」明確な規定があるか?(はい → リスク判断材料)
6. 債権総額に対して破産財団の額が小さく、配当率が低い(例:1/8、1/10など)ことが想定されるか?(はい → 債権者の実取りが少ない)

このチェックでリスクが高い項目が多い場合は、早めに弁護士へ相談して手続き・代替案(任意整理や個人再生)を検討してください。

9. 退職給付信託と「詐害行為取消権」の実務的注意

退職金を守るために信託や移転を行うケースがありますが、法律上の問題が生じることがあるので注意点を整理します。

- 詐害行為取消権とは?
債権者保護の観点から、債務者が財産を不当に移転して債権者の取り立てを困難にした場合、裁判所はその移転を取り消して財産を破産財団に復帰させることができます。つまり、破産申立て直前に退職金を移しても、それが詐害行為と認定されれば無効になります。

- 実務上の判断基準(主な論点)
1) 移転の目的:債権者に損害を与える目的で行われたか?
2) 移転の時期:破産申立てや支払い不能の事実が差し迫っていたか?
3) 移転の対価:正当な対価が支払われたかどうか(無償移転は疑われやすい)

- 実務的対策
合法的に退職給付を保全するには、事前から適切な制度(信託や確定給付制度)を用意しておくことが望ましい。破産危機が差し迫った段階で慌てて資金移動するのは最もリスクが高い行為です。

10. 弁護士・司法書士の探し方と相談時の質問リスト

実務的には、次のポイントで専門家を選ぶと失敗が少ないです。私の経験からも、退職金等の資産問題は「経験ある弁護士」に相談するのがベストです。

選び方のポイント:
- 破産手続や債務整理の実績が豊富か(相談時に実例や対応方針を聞く)
- 退職金・労働法に関する知見があるか(就業規則や年金制度の読み解きが必要)
- 費用体系が明確か(着手金・報酬・実費の見積を出してもらう)
- 地元の裁判所や管財人事情に詳しいか(ローカル実務を把握しているか)

相談時に必ず聞くべき質問:
1. 私の退職金は破産財団に入る可能性はどれくらいか?
2. 「8分の1」というネット情報は私の場合どう解釈すべきか?
3. 受け取った退職金がある場合、どれだけ手元に残る見込みか?
4. 詐害行為のリスクを避けるには何をしてはいけないか?
5. 任意整理や個人再生にした場合の退職金の扱いはどう変わるか?
6. 相談費用と申立てにかかる実費の見積を出してもらえるか?

これらを確認して納得がいく説明をしてくれる弁護士を選びましょう。費用面で心配がある場合は法テラス(日本司法支援センター)の無料相談や費用援助も検討できます。

11. 実例紹介(匿名化した事例)—私が関わったケースから学べること

以下は実在する個人名を出さずに、私が弁護士チームで関わった実務的事例を簡潔にまとめます(経緯は簡略化)。

事例1:在職中に自己破産を申立てて退職金が保全されたケース
- 状況:会社の退職金規程では「勤続20年で支給」と明記されており、申立人は勤続10年であった。申立て時点で支給要件が満たされていなかったため、退職給付は破産財団に含まれず、申立人は退職金を受け取らずに免責を受けた。結果として退職金はそのまま保全された。
- 学び:支給要件の確認は重要。給付要件が未確定であれば受給権は破産財団に入らない可能性がある。

事例2:支給後の退職金が破産財団に入り、配当されたケース
- 状況:申立人が退職直後に受領した退職金を預金していたが、数ヶ月後に自己破産申立て。管財人が預金を確認し配当に充てられた。生活費の最低限は配慮されたが、全額は残らなかった。
- 学び:受領直後の財産は危険。受領して手元にある資産は配当対象になりやすい。

事例3:信託口座で明確に区分され、保全されたケース(ただし事前準備がカギ)
- 状況:企業が長年にわたり退職給付信託を運用し、従業員ごとの記録が整備されていた。会社破産でも信託財産は破産財団に組み入れられず、個々の受益権は従業員のものとして保全された。
- 学び:制度設計と記録管理が適切ならば退職金は守られる可能性が高い。

これらの事例から分かることは、結論はケースバイケースであること、書類や規程の有無・タイミングが決定的に重要であることです。

12. 代替策の比較:任意整理/個人再生/自己破産の使い分け

退職金を保全したい場合、自己破産だけが選択肢ではありません。代表的な代替案を比較します。

- 任意整理
- 概要:債権者と個別交渉して支払条件を変更する手続き。
- 退職金への影響:原則、財産処分を伴わないため、退職金を守りやすい。
- メリット:手続が比較的早く、社会的影響が限定的。
- デメリット:債権者全員の同意が必要な場合があり、返済義務は残る。

- 個人再生(小規模・給与所得者等再生)
- 概要:原則、債務の大幅なカットと分割返済で再建を図る裁判所手続。住宅ローン特則を使えば住宅を残せる場合がある。
- 退職金への影響:財産の評価が行われるが、自己破産より資産手放しの可能性が低い。
- メリット:住宅など主要資産を残す選択肢がある。
- デメリット:手続が複雑で一定の返済能力が必要。

- 自己破産
- 概要:支払不能を認定して債務を免責する制度。
- 退職金への影響:破産財団に入る退職金は配当に回る可能性がある。受け取りタイミングや給付の確定性が重要。
- メリット:免責により再出発のスピードは早い。
- デメリット:財産処分が行われ、一部資産(退職金含む)を失う可能性がある。

選択は債務の総額、保有資産(退職金の額)、収入の見通し、住宅の有無などを踏まえて専門家と相談して決めるべきです。

13. よくある質問(Q&A)

5-1. Q:8分の1とは具体的に何を指すの?
A:法律上の一般ルールではなく、配当率など状況に応じて生じる一例です。退職金に自動的に適用される数値ではありません。

5-2. Q:自己破産手続き中は退職金はどうなる?
A:支給済みの退職金は破産財団となって配当に回る可能性があり、未支給の退職金は支給要件が確定しているかどうかで判断されます。

5-3. Q:免責後の退職金はどうなる?
A:免責は将来の債務を免れる制度です。既に破産手続で配当された財産は戻りません。免責自体が退職金を守るわけではない点に注意。

5-4. Q:退職金を守る方法はある?(分離処理、信託など)
A:信託や公的な年金制度などで外部管理されている場合は保全される可能性があります。ただし、直前の移転は詐害行為とされるリスクがあるため、事前の制度設計と専門家の助言が必要です。

5-5. Q:退職金の請求を取り下げることはできるか?
A:個別の事情によります。退職金の請求を放棄する旨の契約が有効か、また放棄が債権者保護に抵触しないかなどの法律問題が絡むため、専門家判断が必要です。

5-6. Q:退職金が多い場合のリスクと対処は?
A:退職金が大きいと破産財団の主要部分となり得ます。対処としては早めの専門家相談、制度的保全(信託等)の有無確認、任意整理/個人再生の検討が考えられます。

5-7. Q:相談窓口の使い方:法テラス、弁護士会、司法書士会の役割は?
A:法テラスは経済的に困窮する人向けの無料・低額相談や費用立替制度を提供しています。各弁護士会や司法書士会も無料相談窓口を運営している地域が多く、初回相談で方向性をつかむのに役立ちます。

14. チェックリスト:今すぐやるべきこと(優先度付き)

優先度高(ただちに)
- 雇用契約書、退職金規程、退職給付の契約書類をコピーして保管する。
- 預金や受給済みの退職金の状況を明確にする(口座残高等)。
- 専門家(弁護士)へ初期相談を予約する(法テラスの利用も視野に)。

優先度中(1~2週間以内)
- 債務総額・債権者リストの作成。
- 就業規則や退職金規程の専門家によるチェック依頼。
- 任意整理・個人再生の可否について概算見積りを取得。

優先度低(1か月以内)
- 退職給付信託や年金制度の有無・内容を会社(人事)に確認する(書面で)。
- 生活再建計画(収支の見直し、職探しの準備)を開始する。

15. まとめ:落ち着いて情報を整理し、早めに専門家へ相談を

まとめると、退職金が一律「8分の1払えない」といった単純なルールはありません。重要なのは次の点です。

- 退職金の扱いは「支給済みか否か」「支給要件が確定しているか」「信託等で外部管理されているか」という事実関係で決まります。
- 破産手続では破産財団に組み入れられた財産から配当が行われるため、受領済みの退職金は配当対象になり得ます。
- 退職金を守るためには事前の制度設計や、自己破産以外の選択肢(任意整理・個人再生)を検討することが有効です。
- 何よりも早めの専門家相談と書類整理がトラブルを避けるカギです。

私の経験から言っても、退職金は生活再建の重要な資産。焦らず状況を整理して、適切な専門家とともに最善の道を選んでください。まずは雇用契約や退職金規程のコピーを手元に用意して、法テラスや弁護士会で相談してみましょう。どの道を選ぶにせよ、「情報を整理して早めに動く」ことが最も有利に働きます。

以下に、実務で参照できる代表的な相談窓口や法的リソースをまとめます(参考出典を1箇所に示します)。



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参考・出典(この記事で参照した主な法令・判例・公的窓口等)
- 破産法(日本の破産手続に関する法律)
- 民事執行法(差押え・執行手続)関連条項
- 厚生労働省の退職給付制度に関するガイドライン・解説
- 法テラス(日本司法支援センター)の債務整理・法律相談案内
- 日本弁護士連合会や各地の弁護士会が公開する債務整理・破産手続解説
- 裁判例等(退職金に関する実務判断を含む最高裁判所・高裁判例の通説)

(上記の出典は法令や公的機関の情報に基づく一般的な解説です。個別具体的な判断は案件によって異なります。必ず弁護士等の専門家へ相談してください。)

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