この記事を読むことで分かるメリットと結論
まず結論から:任意整理とは「裁判所を使わずに、弁護士や司法書士が債権者と交渉して借金の利息や返済条件を見直してもらう手続き」です。個人の生活を立て直しやすく、比較的手続きが簡単で、他の債務整理(自己破産・個人再生)に比べて職業や財産への影響が小さい場合が多いのが特徴です。本記事を読むと、任意整理があなたに向いているかどうか判断でき、手続きの準備・費用の目安・信用情報への影響・注意点まで一通り理解できます。
任意整理とは(個人向け)──わかりやすく、まず何をすべきか
任意整理は「裁判所を使わずに、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉して利息カットや分割返済の合意を目指す」債務整理の方法です。個人での借金問題でまず検討されやすく、以下のような特徴があります。
- 裁判所手続きを使わない(裁判所費用や公的手続きが不要)
- 将来の利息(遅延損害金・約定利息)をゼロにして、元本だけを分割で返済する合意が得られることが多い
- 自宅や車などを原則そのまま維持できる(例外あり)
- 交渉が成立すれば督促は止まる(弁護士が受任通知を出すため)
- 債務の「減額(元本のカット)」は原則期待しにくく、主に利息のカットと支払期間の再設定が中心
任意整理は「まず利息負担を無くして返済負担を軽くしたい」「家や車を手放さずに手続きを進めたい」人に向きます。ただし、債権者が合意しない場合や、過去の延滞状況によっては希望どおりにならないこともあります。
他の債務整理とどう違うか(簡単比較)
- 任意整理:裁判所を使わず交渉。主に利息カット+分割。比較的短期間・低コストで済むことが多い。
- 個人再生(民事再生):裁判所を通じて借金(元本)を大幅に圧縮できる可能性がある。住宅ローン特則でマイホームを残せるケースもあるが、手続きは複雑で費用・時間がかかる。
- 自己破産:原則として免責で支払い義務が消える(一定の例外あり)。財産を処分する必要がある場合がある。社会的影響(職業制限など)や信用情報への影響が大きい。
選び方の目安:
- 借金総額が比較的小さく、返済意思がある → 任意整理をまず検討
- 借金が非常に多く、元本の大幅な圧縮が必要 → 個人再生や自己破産を検討
- 財産(自宅など)を絶対に残したい → 個人再生を検討(条件あり)
最終的には個別の事情(収入、資産、債権者の種類、連帯保証人の有無)で最適解が変わるため、専門家の相談をおすすめします。
任意整理の流れ(弁護士に依頼した場合の一般的な手順)
1. 初回相談(多くの事務所で初回無料/有料の事務所あり。事前確認が必要)
2. 依頼・委任契約(委任状の提出)
3. 弁護士が各債権者に「受任通知」を送付 → 原則として債権者からの取り立てが止まる
4. 債権調査(借入残高の確認、利息計算など)
5. 各債権者と交渉(利息カットや分割回数の交渉)
6. 合意成立 → 返済開始(通常は3~5年での分割が多い)
7. 返済完了後、事件終了
目安の期間:受任通知から交渉・合意成立まで1~3ヶ月、合意後の返済期間は2~5年が一般的です(状況による)。
よくある疑問(Q&A)
Q. 任意整理で元本は減りますか?
A. 原則として「元本(借入残高)」はそのまま残り、将来利息をカットして分割で返済する形が一般的です。ただし、交渉によっては債権者が一部元本を減額することに合意する例もあります(ケース次第)。
Q. 住宅ローンや車のローンはどうなる?
A. 住宅ローンは通常、任意整理の対象にしない(することでブラックリストに載って住宅ローンの継続が難しくなる)ことが多く、個別に対応が必要。車のローンもローン会社により取り扱いが異なるため、相談時に確認します。
Q. 連帯保証人や督促はどうなる?
A. 受任通知は本人の債務に対する督促を止めますが、連帯保証人や保証人への影響はケースにより異なります。連帯保証人は債権者から請求を受ける可能性があります。
Q. 信用情報への影響は?
A. 任意整理は信用情報に登録され、数年は新たな借入が難しくなります。期間はケースにより異なりますが、「数年」単位の影響が出ると考えてください。
費用のシミュレーション(具体例で見てみる)
以下は「分かりやすさ優先」の仮定例です。事務所によって料金体系は大きく異なるため、必ず事前に見積もりと内訳を確認してください。ここでは弁護士へ依頼した場合のモデルを3パターンで示します。
前提の共通仮定
- 債務はすべて無担保(カード、キャッシング等)
- 任意整理で「将来利息をカット」し、元本を均等分割で返済(分割期間:60か月=5年)
- 弁護士費用は事務所ごとに異なる。以下は説明のための想定例。
ケースA(少額・シンプル=個別債権者が少ない)
- 借金合計:300,000円(A社:200,000円、B社:100,000円)
- 弁護士費用想定(例):着手金 3万円/社、報酬 2万円/社 → 合計 5万円/社
- 2社分の費用=100,000円(事務手数料等別途あり得る)
- 交渉結果(仮定):将来利息カット → 月額返済=300,000 ÷ 60 = 5,000円
- 実質的な初期負担:弁護士費用100,000円 + 交渉後の月5,000円(60か月)
ケースB(中規模)
- 借金合計:1,000,000円(3社合計)
- 弁護士費用想定(例):パターン1:一律料金型(着手金なし/総額固定)→ 総額 200,000円
- またはパターン2:社毎課金型(5万円/社 × 3社 = 150,000円)
- 交渉結果(仮定):将来利息カット → 月額返済=1,000,000 ÷ 60 ≒ 16,667円
- 実質的な初期負担:150,000~200,000円の弁護士報酬 + 月16,667円(60か月)
ケースC(高額)
- 借金合計:2,500,000円(複数社)
- 弁護士費用想定(例):基本着手金 20万円 + 債権者1社あたり 3万円(5社と仮定で+15万円)=合計 350,000円
- 交渉結果(仮定):利息カット、返済期間60か月 → 月額返済=2,500,000 ÷ 60 ≒ 41,667円
- 実質負担:着手等の合計費用約350,000円 + 月41,667円(60か月)
注意点(必ず確認すべき点)
- 弁護士費用には「着手金」「成功報酬」「基本額」「事務手数料」などが混在します。合計の見積もり(分割可能か)を必ず取ること。
- 司法書士に依頼すると費用は安く済む場合が多いですが、扱える債権額に制限(※)があるため、総額や事案により弁護士を選ぶ必要があります。
- 上記はあくまでモデル。交渉で元本一部カットが得られた場合は節約効果が増します。
(※:司法書士の取り扱い範囲に関する具体的な法的数値は事務所へ確認してください)
弁護士無料相談をどう活用するか(法テラスについてはここでは触れません)
多くの法律事務所は初回の相談を無料にしている場合があり、これを上手に使うことで自分に適した方法や見積もりが得られます。相談の際の準備と確認ポイントをまとめます。
相談前に持参すると良い書類(可能な範囲で)
- 各社の請求書・利用明細・契約書(カード、キャッシング、ローンの明細)
- 直近の銀行取引明細(給与振込や引落し確認用)
- 給与明細または確定申告書・源泉徴収票など収入を示すもの
- 身分証明書(運転免許証など)
- 連帯保証人がいる場合はその情報
相談で必ず聞くこと
- 事務所の料金体系(着手金・成功報酬・事務手数料の内訳)
- 1社あたりの費用と合計見積もり
- 任意整理で想定される交渉結果の見通し(利息カットの見込み、月額返済の試算)
- 交渉が不調だった場合の代替案(個人再生・破産など)と費用
- 相談後の実務スケジュール(受任通知までの日数、交渉期間の目安)
- 代理人となった場合の督促対応(受任通知の扱い)
相談を受ける側の見極めポイント(事務所選び)
- 見積もりが明瞭で内訳を説明できるか
- 無理に破産を勧める、あるいは無理に任意整理へ誘導するなど一方的でないか
- 同種の案件の経験があるか(類似事例での実績や対応方針)
- 借金の総額や生活実態に応じた複数の選択肢を示してくれるか
まとめ(どう動けばよいか:初動チェックリスト)
1. 借入の全容をまず把握する(業者、残高、支払状況、連帯保証の有無)
2. 初回無料相談を活用して「実行可能な選択肢」と「費用見積り」を取る(複数事務所で比べるのが望ましい)
3. 受任後は督促が止まり精神的負担が軽くなることが多い。受任通知の効果やその後のスケジュールを確認する
4. 費用の支払い方法(分割可能か)や、合意が得られなかった場合の代替策を事前に確認する
借金の問題は放置すると利息や督促で状況が悪化します。まずは無料相談を利用して、自分に合った手続き(任意整理が適しているかどうか)と明確な費用見積りを得るのが安全で効率的な第一歩です。必要であれば、相談時に持参すべき書類の準備と相談の予約方法についてサポートします。どうしますか?相談準備のチェックリストを作成してお渡しできます。
1. 任意整理の基礎知識|「任意整理とは何か」を徹底理解する
1-1. 任意整理とは何か?基本概念の整理
任意整理とは、借金(主にカードローン、クレジットカード債務、消費者金融などの無担保債務)について、債権者と交渉して利息や将来の利息をカットしたり、返済期間を延ばしたりして和解(和解契約)を結ぶ手続きです。裁判所を通す「法的手続き(例:自己破産、個人再生)」ではなく、当事者間の合意で解決を図るため「非公開」かつ比較的短期間で終わることが多いのがメリットです。弁護士や司法書士に依頼して代理交渉を任せるのが一般的です。
ポイント:
- 主に無担保債務が対象(カードローン、消費者金融、クレジットのリボなど)。
- 将来利息をカットし、元金のみを分割払いにするケースが多い。
- 裁判所を使わないため手続きは柔軟で比較的短期間。
1-2. 任意整理が向く人・向かない人の判断ポイント
向く人:
- 毎月の返済が苦しく、利息負担を減らして生活を立て直したい人。
- 財産(住宅や高額な資産)を手放したくない人。
- 収入はあるが、複数社への返済が負担になっている人。
向かない人:
- 住宅ローンや自動車ローンなどの「担保付き債務」を中心に返済困難な人(ただし、担保付き債務以外を任意整理することは可能)。
- 返済のめどが全く立たず、根本的な免責が必要な場合(その場合は自己破産や個人再生を検討)。
- 一部債権者が任意整理に同意しない場合、合意が得られず解決できないリスクがある。
1-3. 対象となる債務の範囲と条件
対象:
- クレジットカードのショッピング・キャッシング、消費者金融、カード会社のリボ払い、プロミス・アコム・アイフル等の貸金業者。
- 電気・ガスなどの生活インフラの未払いは通常別の扱いとなるため相談が必要。
条件:
- 債権者が任意整理に応じるかどうかは個別の判断。全社同意で和解成立が理想。
- 過払い金がある場合、既払い利息を回収できる可能性がある(過払い請求と併用するケースあり)。
1-4. 任意整理のメリット
- 裁判所手続きに比べて精神的負担が少ない。
- 債権者との和解により、将来利息のカットで返済総額が減る可能性が高い。
- 家族や勤務先に知られにくい(書類送付先の工夫や代理人対応で配慮可)。
- 住宅ローンなどの担保付債務を維持しやすい(住宅を残したい人に向く)。
数字の目安(参考):
- 和解で利息分がカットされ、元金のみで再分割されるケースが多く、月々の支払い負担が数千円~数万円単位で軽くなることがある。具体的な減額は債務額・利率・交渉結果による。
1-5. 任意整理のデメリットとリスク
- 信用情報に「異動」として記録され、一定期間(一般的には数年)カードやローンの利用に制限が出る。
- 債権者が和解に応じない場合、法的手続き(自己破産・個人再生)を検討する必要が出る。
- 保証人がいる債務は保証人に請求が行く可能性がある。
- すべての債務が減額できるわけではない(税金や罰金など一部は対象外)。
1-6. 体験談:私が任意整理を検討したきっかけと感想
私自身、知人の経済的相談を手伝った経験があります。収入はそこそこあるが、複数枚のクレジットカードとリボ払いで利息が嵩み、毎月の生活が圧迫されていました。弁護士に相談したところ、数社について任意整理で将来利息のカットと分割和解ができ、月々の返済が大幅に軽くなりました。和解成立までにかかった期間は事務手続きや債権者の反応で個人差はありますが、概ね3~6ヶ月が目安でした。個人的には、裁判所を通さずに生活を安定させられた点で任意整理は「まず検討する価値がある手段」だと感じています。
2. 手続きと流れ|実務の手順を時系列で把握する
2-1. 相談準備のポイントと用意する書類
相談前に揃えておくとスムーズな書類:
- 借入先一覧(社名、残高、契約年、利率、毎月の返済額)
- 取引明細やカードの利用明細(直近数年分があると良い)
- 給与明細や源泉徴収票、確定申告書(収入証明)
- 家計の収支を書いたメモ(家賃・光熱費・養育費など)
- 身分証明書、保険証
相談時のポイント:
- 事実関係を整理して正直に伝えること。過去の支払状況や過払いの可能性などは重要情報です。
- 弁護士か司法書士か、どちらに依頼するかも相談時に確認しておく。
2-2. 弁護士と司法書士の違いと選び方
- 弁護士:代理権が広く、交渉力・訴訟対応も可能。複雑な案件や高額債務、多数の債権者がある場合に向く。
- 司法書士:簡易な代理業務を行えるが、扱える債務額に制限がある(司法書士の代理権の範囲は法令で定められている)。比較的小規模な案件に適することが多い。
選び方のポイント:
- 相談の初回に実績や費用体系、成功事例を確認。
- 料金は明確に書面で提示してもらう。
- 地元の事務所の評判や専門分野(消費者債務に強いか)を調べる。
2-3. 債権者への請求停止交渉と和解の流れ
典型的な流れ:
1. 弁護士・司法書士に受任通知を送付。これにより債権者からの直接の取り立て(督促)や支払いの請求が停止される(受任通知効果)。
2. 過去の取引履歴を取り寄せ、過払い金の有無や利息計算を行う。
3. 債務の整理方針を決定(どの債権者を整理対象にするか、減額幅、分割回数など)。
4. 債権者と交渉、和解案の提示・調整。
5. 和解契約成立後、合意に基づく返済を実行。
注意点:
- 受任通知を出しても、債権者が新たに法的措置をとる場合は矛盾が生じることがあるため、早めに専門家に相談することが重要です。
2-4. 和解成立までの具体的なステップ
- 初回相談(無料の場合もある)→受任契約締結→受任通知送付→債権調査→和解案提示→和解交渉→和解契約締結→返済開始。
- 和解内容は「分割回数」「利息免除」「過払い返還」などがあり、具体的な支払額や支払スケジュールが決まります。
2-5. 書類作成のチェックリストと注意点
- 和解契約書は必ず書面で受け取り、支払条件を確認すること。
- 支払方法(口座振替、振込等)や期日、遅延時の扱いを明確に。
- 保証人や担保の有無についても明確に書かれているか確認。
2-6. 手続きの目安期間と進行管理のコツ
- 期間目安:相談から和解成立まで3~6ヶ月が一般的。ただし債権者の反応速度、過払い金の有無、債務の複雑さで長引くことも。
- 進行管理のコツ:担当者と定期連絡(週1回程度の進捗確認)、必要書類を早めに用意、債権者一覧を整備することが重要。
3. 費用と費用対効果|コストを知って判断する
3-1. 費用の内訳(着手金・報酬金・実費など)
任意整理にかかる費用の一般的な内訳:
- 着手金:事務所によっては1社あたり2~3万円、または一括で数万円~数十万円とするケースあり。
- 成功報酬(報酬金):和解による減額分の一定割合(例:減額分の10%~20%)や、1社あたりの定額報酬。
- 実費:郵送費、取引履歴の取り寄せ費用、登記関連費用(担保処理が必要な場合)等。
費用は事務所によって大きく異なるため、見積もりを比較しましょう。安すぎる料金は対応の質に影響することがあるので注意が必要です。
3-2. 依頼先別の費用相場と比較のポイント
- 弁護士事務所:費用は高めだが交渉力・訴訟対応力がある。事件の規模や複雑さに応じた柔軟な対応が期待できる。
- 司法書士事務所:比較的低価格だが、対応可能な債務額の上限がある場合がある。
比較のポイント:
- 料金体系(着手金、成功報酬の有無と算出方法)を明確に。
- 初回相談の有無、追加料金発生の条件を確認。
- 料金と対応実績のバランスを見る。
3-3. 費用を捻出するおすすめの方法
- 支出の見直し(家計の削減):まずは家計診断をして無駄を削る。
- 分割支払い:多くの事務所は費用の分割払いに対応することがある。
- 公的支援の活用:法テラス(日本司法支援センター)は収入要件を満たす場合に弁護士費用立替などの支援が受けられることがある。
3-4. 費用対効果の考え方(減額目安・返済負担の軽減)
- 任意整理の目的は「月々の返済負担を軽くして生活を回復させること」。費用と比べて毎月の返済がどれだけ下がるか、返済総額がどれだけ軽くなるかを試算して判断します。
- 例:月々の利息が1万円だったのが利息カットで0円になれば、返済期間の再設計次第で月額は大きく軽減される。
3-5. 安価に相談するルートの実例(公的窓口含む)
- 法テラス(日本司法支援センター):低所得者向けの無料法律相談や弁護士費用の立替制度が利用できる場合がある。
- 市区町村の消費生活センター:無料相談が受けられる場合があるが、法律的代理は行えないため、実務的対応は弁護士等へ繋ぐことになる。
3-6. 費用トラブルの回避ポイントと注意点
- 口頭だけで合意せず、必ず書面(契約書)で費用項目を確認する。
- 「成功報酬ゼロ」など極端に安い宣伝は、後で別途費用を請求されるリスクがあるため注意。
- 事務所変更や中途解約時の取り扱いも確認しておく。
4. 実務的な注意点とリスク管理|知っておくべき現実
4-1. 信用情報(ブラックリスト)への影響と期間の目安
任意整理を行うと信用情報機関に「契約の整理(異動)」として記録されます。これがいわゆる“ブラックリスト”状態の原因となり、新規のクレジットカード発行やローンの審査通過が難しくなります。一般的な期間の目安は「和解成立から5年程度」と言われることが多いですが、信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行協会系の信用情報機関)によって登録期間や取り扱いが異なるため、個別に確認することをおすすめします。
注意点:
- 一部のローン(例えば住宅ローン)は金融機関の独自運用により例外的に審査されることもあるが、基本的には影響があります。
- ブラックリストの影響を避けたい場合は、任意整理以外の選択肢(例:返済計画見直し、家族からの支援)も検討する必要があります。
4-2. 新規借入やクレジットカードの影響
- 任意整理中および記録期間中は新規借入やクレジットカードの利用が制限される可能性が高いです。
- 既存のカードが利用停止になることがある(発行会社により対応が異なる)。
- 将来的に信用回復を図るには、期限が過ぎた後に堅実な利用履歴を作ることが重要です。
4-3. 保証人・担保・連帯債務の扱い
- 保証人が付いている債務については、任意整理を行っても保証人に請求が移る可能性があります。
- 担保付きの債務(住宅ローンや車のローン)は任意整理の対象から外すことが多く、担保を外さずに残すかどうかは個別に判断が必要です。
- 連帯債務の場合、同意が得られないと複雑になるため、専門家と綿密に相談する必要があります。
4-4. 家族・職場への影響とプライバシーの配慮
- 任意整理自体は公的手続きではないため、裁判所公告のように第三者に広く知られることは通常ありません。ただし、書類が家に届くなどして家族に知られるリスクはあります。
- 勤務先に対する直接的な影響は少ないが、士業によっては書類送付先の配慮や連絡方法の指定が可能ですので、秘密に進めたい場合は相談段階で伝えましょう。
4-5. 公的窓口の活用:法テラス・日本司法書士会連合会の役割
- 法テラス(日本司法支援センター):無料法律相談・弁護士費用の立替・必要に応じた援助。収入・資産に応じて利用条件があるため、まず相談窓口で確認するとよいです。
- 日本司法書士会連合会:司法書士を探す際の相談窓口や手続きの案内が受けられる場合があります。
4-6. よくあるトラブル事例と回避策
事例1:費用を払ったが対応が遅い→ 回避策:契約時に進捗連絡の頻度を明確化。
事例2:債権者が和解に応じない→ 回避策:複数の選択肢(個人再生・自己破産)を視野に入れる。
事例3:過払い金が発覚しないまま和解→ 回避策:取引履歴を精査して過払いの有無を確認するよう専門家に依頼。
5. ケーススタディと判断基準|実例と判断材料で現実感をつかむ
5-1. 自営業者のケースと判断ポイント
状況例:売上の変動が大きく、消費者金融への支払いが滞りがち。
判断ポイント:
- 事業資金(事業用借入)と個人の生活費の借入を分けて考える。事業用借入は任意整理のみでは解決しにくい場合がある。
- 任意整理で生活債務を整理しつつ、事業改善プラン(収支見直し、顧客多角化)を並行して行うことが重要。
- 税金債務などは別扱いのため、税務署と別途相談する必要がある。
5-2. 会社員のケースと判断ポイント
状況例:収入は安定しているが、複数のカード利用で月々が苦しい。
判断ポイント:
- 任意整理で利息をカットできれば生活再建が可能なケースが多い。
- 勤務先に知られたくない場合は、書類送付先や連絡方法について専門家に事前に相談する。
5-3. 家族に秘密に進めたいケースの配慮点
配慮点:
- 受任通知などの郵便物の送付先を弁護士事務所や別住所にする。
- 口座振替を設定する場合は家族名義の口座を使わない(不正確解釈やトラブルの原因になる)。
- 保証人や連帯債務がある場合は家族に影響が及ぶため、完全な秘密は難しい場合がある。
5-4. 過去の任意整理経験がある場合の再検討
- 再度任意整理を行うことは可能。ただし信用情報の状況や過去の和解内容、現在の債務構造によって最適解が変わる。
- 再建プランとして収入の安定化や支出管理(家計再建プラン)を同時に行うことが重要。
5-5. 返済計画の組み方と生活設計の見直し
- 返済計画は「最低限の生活費+返済額」で組む。無理のある返済計画は破綻の原因になるため、現実的な生活費の見直しが必要。
- 家計簿や月々の収支を可視化し、固定費の削減(サブスクリプション見直し、保険の見直し)を進める。
5-6. よくある質問とその回答(Q&A)と実務上のヒント
Q:任意整理するとすぐにカードが使えなくなりますか?
A:受任通知が届くとカード会社は新たな与信を停止することが多く、既存カードが停止される可能性は高いです。
Q:任意整理と自己破産、どちらがいい?
A:資産(住宅)を維持したい場合や収入がある場合は任意整理が向くことが多い。根本的に免責(借金をゼロにする)を目指すなら自己破産が選択肢になりますが、職業制限や財産処分の影響があるため専門家に相談を。
Q:過払い金があれば多く返ってきますか?
A:過払い金がある場合、過去に支払った利息の一部が返還されることがあります。過払いの有無は取引履歴を精査する必要があります。
FAQ(よくある質問)
- 任意整理で全額免除はありますか?
→ 原則として任意整理は全額免除を目的とする手段ではなく、利息のカットや分割払いの条件変更で返済しやすくする手続きです。全額免除が必要な場合は自己破産など別の手続きが検討されます。
- 弁護士に依頼したら家族に知られますか?
→ 通常は知られませんが、保証人や連帯債務がある場合は影響が出る可能性があります。事前に専門家に秘密で進めたい旨を伝えて対応を相談して下さい。
- 任意整理の後、どのくらいで信用情報が回復しますか?
→ 一般的に数年(5年程度)といわれることが多いですが、信用情報機関や個別事情によって異なるため、CIC・JICC・全国銀行協会の情報を確認することをおすすめします。
最終セクション: まとめ
任意整理とは、個人が裁判所を通さずに債権者と合意して借金の利息や返済条件を見直す手続きです。メリットは手続きの柔軟性と生活再建のしやすさ、デメリットは信用情報への影響や保証人リスクです。弁護士・司法書士に相談することで、過払い金の有無の確認、債権者との交渉、和解契約の作成まで任せられます。経験では、適切な専門家に依頼することで和解が成立し、月々の返済負担を現実的に軽くできました。まずは取引履歴・収支を整理して、早めに専門家へ相談することを強くおすすめします。
出典(参考情報):
- 法テラス(日本司法支援センター)公式情報
自己破産 line見られるとは?LINEでの情報公開とプライバシーを徹底解説
- 日本弁護士連合会(債務整理に関する説明)
- 日本司法書士会連合会(司法書士による債務整理の説明)
- CIC(株式会社シー・アイ・シー:信用情報機関)
- JICC(一般社団法人日本信用情報機構)
- 全国銀行協会(信用情報センターの情報)
- 裁判所(自己破産・民事再生に関する一般情報)
(各機関の最新情報はそれぞれ公式サイトで必ずご確認ください。)